アイスランドのルピナスの花
たまーにですが、「ルピナスの花を見たいんです!」というお客様がいらっしゃいます。
その気持ち、わかります!! とは言っても、アイスランドからルピナスの花を連想するなんてなかなか無いことです。こんな声を聞くと、アイスランドについてよく調べていらっしゃるなと思います。
夏にアイスランドを旅行すると必ずとも言っていいほど目にするルピナスの花。日本ではまだあまり知られていない花だと思いますが、どんな花なのでしょうか?
①そもそもルピナスの花って何?
アイスランドで目にするルピナスの花。青・紫、白の小さな花をつける背の高い多年草です。アイスランドの在来種ではなく、植物が少なく浸食の激しいアイスランドの土地を保全するため、アラスカから持ち込まれたものです。繁殖力が強く、種で増えますが、大きな株は冬を越し、また翌年も花を咲かせます。
もともと背の高い木々が少ないため、膝を超える高さまで成長するルピナスが群生するとなかなかの眺めです。
場所によっては丘一面が青い花で埋め尽くされる風景も見られます。
レイキャビク市内のスキー場も、ルピナスでいっぱいになる。
②見られる時期は?
アイスランドでは6月の上旬から先始め7月下旬まで見られます。8月に入ると花は終わりになってしまうので、ルピナスが見たいのであれば7月くらいがお勧めです。
5月下旬では、まだまだ咲いている花が少ない。これが少しづつ成長して大きな花となっていくのは面白い。
6月上旬のルピナス。5分咲きくらい。
③見られる場所は?
アイスランド各地で見られるルピナスですが、誰かが管理したり植えたりしているものではありません。幹線道路沿いに群生が見られることが多いですが、これは人や車の移動により種が運ばれてきたためかと思います。
雑草のごとく増えますのでレイキャビク市内でも群生でなければあちらこちらで花が見られます。
④ルピナスの将来
アイスランドの土地を守るために持ち込まれたルピナス。土壌侵食を防ぎつつ、夏には見事な花を咲かせます。もともと石と土だけの荒野だった場所が花畑になるのを喜ぶ人もいます。草木の育たない荒れた土地なら花畑の方がいい、という意見です。
一方で、アイスランドの在来種ではないルピナスの強い繁殖力は、アイスランド本来の自然を保護したい人にとっては脅威を与える植物です。土壌侵食は防げたものの、成長の遅いアイスランドの在来種に育つ間を与えないという危惧があります。そもそも、一見荒れた土地であっても、懸命に生きる小さな草花もあるわけで、そこに繁殖力の強い鬼のような植物を持ってくるのは危険です。ルピナスの群生地では、膝丈以上もある茎をなぎ倒しながら歩かなければならないほどです。
一面がルピナスに支配された丘。7月は遠くから見ると丘が青く見えます。晴れているとさらに素晴らしい!
厳しい気候で大ぶりの花を見ることが少ないアイスランド。園芸用以外でこれだけ大きな花を見られるのはルピナス以外にはありません。
そして長い冬を乗り越え、夏にぐんぐん成長する姿はなんともたくましく、見ていると嬉しくもあります。
私はスピナスの花を毎年楽しみにしていますが、目に良ければいいというものでもなく、今後ルピナスがどう対処されていくのか気になるところです。
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