アーベンスベルクのクリスマスマーケット
ここレーゲンスブルクから30kmほど西にあるアーベンスベルクという町の、クリスマスマーケットに行って来ました。
まず、アーベンスベルクそのものについて、少し触れておきましょう。ニーダーバイエルン県のケルハイム郊外にある町で、石器時代から人が住んでいた事がわかっています。1250年頃に造られたお城は、30年戦争で破壊され、その一部がいまでも残っています。1809年には、ナポレオン率いるフランス軍とオーストリア軍とが戦った、第五次対仏戦争の戦地となりました。
経済的には、白アスパラガスの産地であるとともに、ビールの原料となるホップの産地の終点でもあり、ビールの醸造も盛んな地区。美味しい白ビールを作る醸造所、クッヘルバウアーの本拠地でもあります。
ビールの醸造所は現在でも3つありますが、その中で一番古いのが1499年醸造開始のクッヘルバウアーです。かつ、バイエルン州の田舎にある醸造所の中で、最も大型なものでもあります。
フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーという、オーストリアの芸術家が計画したクッヘルバウアーの塔が造られ、2010年より一般公開されるようになっています。他にも芸術の家が2014年にオープンし、クッヘルバウアー醸造所の城下町のようなイメージの街です。(関連記事こちらへどうぞ)
さて、ここで開催されるクリスマスマーケットに、ずっと行ってみたかったのですが、やっと行く事ができました。
たくさんある個性的なお店の中で、気になったものの一つはこちら。フラムラックスという食べ物を売る屋台です。フラムは炎のこと、ラックスはサーモンのことです。こうやって、サーモンを板に貼り付けて、炙り焼いているんです。他のマーケットでもみたことがありますが、どこだったかしら?
また、焼きソーセージを挟んだパンを提供するお店。ここは、狭い屋台の真ん中に、ぶら下げられた鉄格子、そこでソーセージを焼いています。ここで、私はメアティッヒ・ソーセージを食べました。直訳すれば、西洋ワサビソーセージです。ほんのりわさびっぽい味で美味しかったです。
例えば平日は18時まで、ニコラウスが巡回して、小さな子供達に小さなプレゼントを配ったりしてくれるようで、それも魅力的です。チョコレートをもらっていました。
そして、クッヘルバウアー醸造所の作る、白ビールでもアルコール度の高い「アロイシウス」というビールがあるのですが、そのアロイシウスシュタッヘルンというのがあるのです。シュタッへルンって何だろう?と思っていたのですが、やっと謎が解けました。
天使の羽を背中につけたおじさんが、昔のビールの醸造の話を聞かせてくれながら、個人個人のお客さんとお話しをしています。
お客さん達は、空の白ビールのグラスを持って来て、ここでアロイシウスを注いでもらい、会話をしながら飲んでいます。
私達も行って来ました。後ろの建物の中で代金を払ってコップをもらい、このおじさんのところへ行くと、まず、お話を聞きながら普通にビールを飲みます。そして、加熱した鉄の棒をこのビールに入れてもらうんです。すると、しゅわしゅわっと泡が立ち・・・
そう、昔は、冷蔵施設がなかったので、氷で冷やしていたけれど、そうするとビールがとっても冷たかったそうです。そこで、昔の人は鍛冶屋に頼んで、熱した鉄をビールに入れてもらったら、温度もちょうど良くなっただけでなく、味の変化があり、美味しかった。それがこの始まりなのだそうです。
そんな会話をしながら、その変化を楽しませてくれるんです。
また、ここには、地下駐車場を利用し、たくさんのお店がありました。夜のクリスマスマーケットの雰囲気を楽しむという面ではイマイチですが、ぐるっと見て回る価値はあります。
そして、街全体もライトアップされていて、素敵。
ここは、電車で来るのも便利が良いようですが、せっかくなので、アーベン川のほとりも含め、少し歩いてみると良いですね。
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