長距離列車車内・地面の見える☆トイレに衝撃!快適旅
日本では見かけないような列車が走っています。落書きがいくつかの車両に施されていたり、コンパートメントで仕切られていたり、窓が手動で開けられたり、トイレの便器内からは線路上の地面が見えます。
メズドラ(Мездра)駅に停車中の列車。
車内はコンパートメントで各室仕切られ、一等車は6人掛け、二等車は8人掛けとなっています。一等席はあまり知られていませんが、座席の下にレバーがあって引くと、リクライニングできます。しかし固いのでまったく動かなかったり、金属に手が引っかかってすりむいた人がいたり、できなかったら諦めます。
この一等席にはたまに大勢の人が乗っていて満席だと思ったことがありましたが、車掌が来て検札の際に皆二等席の乗車券だったらしく、ここが一等席などと知らなかったなどと言いながら全員去り、結局私と連れのみになったことがあって、拍子抜けしたことがあります。
電車は速くないと思い距離と時間で単純計算したら、だいたい時速50キロ前後で走っている結果になりました。車より遅いですが速くないので窓を開けることもできます。首都ソフィアから黒海沿いのヴァルナまで8時間近くかかり一日費やす感覚です。
ほとんど古い車両ですが快適な旅は送れます。ただ新しい車両に乗ったとき、空気が爽やかで、本が読めたり字が書きやすかったり、目的地に着いてもあまり疲れていなかったので、改良されてると思いましたが、その時初めて古い車両は埃っぽく、揺れるために本が読みづらくすぐ諦めてしまうことに気づきました。
テーブルの下には蓋付きのゴミ箱が設置してあります。これも蓋が固いことがあります。小さいので結構お菓子の袋やバナナの皮が溢れていきます。
これがトイレです!水は流れない上、手洗い場があっても水は出ません。今まで一度奇跡的に出たことがあります。床も黒くて湿っていたりなぜか天井から壁まで茶色いです。私は天井から床までトイレの洗剤の原液を撒きたい衝動に駆られます。不潔すぎるので便座には確実に座ってはいけません。さらにひどく臭います。トイレの外で呼吸をして、利用するときは息を止めて入ります。紙はありませんが一度なぜか壁のくぼみに、折りたたまれた短いトイレットぺーパーが置かれていたことがありましたが、清潔とは言えないので自分のポケットティッシュを使う方がいいです。後でこの折りたたんだペーパーは床に落ちていたのでもう使えません。
このトイレなんと便器の奥に床を貫通し、走行中の地面が見えます。トイレに入った瞬間から外の電車が走る音が聞こえてくるのです。この便器の上にはゴミくずを中に捨てないという絵表示があるのですが、ゴミ箱が設置してある場合はいいですが、そうでない場合は使用した紙はどこへ捨てたらいいのか悩みます。心の中で謝りながら、便器から線路上へ吸い込まれていったり、便器裏に付着したりしますが、環境や清掃員が困らないようにしたいです。
トイレ利用後は手が洗えないので、私はいつもウエットティッシュを持参しています。しかし大半の乗客はウエットティッシュを利用しているとは思えません。トイレに向かって座席を離れて戻ってきて、手を拭いてる人など女性のみでわずかしかみたことがありません。そう考えるとトイレのドアノブや鍵どころかコンパートメントの取っ手も汚い気がするので、廊下で手を拭いて、座席に戻って手をまた拭いています。ここでもし他に乗客がいなければ私はウエットティッシュのまだ使っていない余っている部分で、テーブルやコンパートメントの扉の取っ手を拭いたこともあります。とにかく家に着いてハンドソープで手を洗ったときが一番落ち着く瞬間です。
真新しいトイレも存在します。一度だけヴァルナ(Варна)を20時45分に出発した列車のトイレは光沢があって、奇跡的に全く臭いませんでした。ホテルのトイレのような高級感が漂ったようにも思いました。
一度だけ入り口が走行中に開いてしまったのを見たことがりあります。ハンドルが手動でしっかり掛けられていなかったのかもしれません。
窓の外に出たり、窓からゴミを捨ててはいけません。赤い円の中は斜線はありませんが道路標識も赤は禁止マークです。
トイレについて言及しましたが、もしかして世界には他の国でもこのような車両が走っている地域は意外とあるのかもしれません。多少の不便さやカルチャーショックはいい刺激と体験になります。使われているものは古くても日本と同じ現代に人々は生活を送っていて、流れる時間も時差が存在するだけしか変わりないのに、遠い国とは不思議なものです。
(8月お題"気をつけたい旅のトラブル")
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