Foujitaの各年代作品を一覧できる「藤田嗣治」展がパリ日本文化会館で開催【ジャポニスム2018】

公開日 : 2019年01月19日
最終更新 :
IMG_2827.jpg

2019年1月16日〜3月16日、パリ日本文化会館では「藤田嗣治」展が開催されています。同展は3度にわたってパリに滞在(1913〜1931年、1939〜1940年、1950〜1968年)した画家・藤田の60年に及ぶ創造活動を一覧に鑑賞できる企画展。日本を中心に各地から集められた36点の作品を、藤田の第二の故郷であるパリで展示しています。

初日前日に取材の機会をいただけたので、足を運んでみました。

IMG_2855.jpg

会場はパリ日本文化会館2階にある展示ホール。受付を済ませて入場すると、まず藤田の自画像がお出迎え。この日はキュレーターの林洋子さん(美術史家、文化庁芸術文化調査官)とソフィー・クレブスさん(パリ市立近代美術館チーフキュレーター)によるガイドツアーがありました。

IMG_2849.jpg

展示はモンパルンスに居を構え、次第にフランスで認められていった享楽的な時代の作品から、南米旅行時のもの、日本へ戻り描いた巨大な戦争画と、藤田の作風の変遷を比較しながら鑑賞できます。

特にパリで名声を得た油彩画に日本画の画法を取り入れ、乳白色の色使いが印象的な作風から、その後日本へ戻って描いた、ロマン主義以前の西洋の戦争画の特徴が濃く暗く巨大な作品との対比は、藤田が過ごした人生を鑑賞者にまざまざと見せつけてくれます。

IMG_2843.jpg
IMG_2839.jpg

藤田の作品に限ったことではないですが、実際に絵を前にして、描かれた線やその筆使いを見ていると、当時藤田がキャンバスに向かっていたときの、熱量や雰囲気を感じられます。また藤田が愛したパリの土地で藤田の作品を見ることで、時代は随分変わりましたが、その雰囲気の一端を少しでも感じられる気がします。

PYK_7846.jpg

さて、展覧会がスタートした週の18日には、同じくパリ日本文化会館で、藤田嗣治を題材にした映画『Foujita』の特別上映会がありました。当日は同作品を撮った小栗康平監督をはじめ、映画の出演者、スタッフなどが招待。上映後には小栗監督が登壇し、観客からの質問を受けながらアフタートークが行われました。

『Foujita』は1月19日〜27日までパリ市内の映画館「L'Arlequin (76 rue de Rennes 75006)」にて上映中ですので、あわせて鑑賞しても良いかもしれませんね。

【データ】

住所:101 bis Quai Branly 75015 Paris

開催期間:2019年1月16日〜3月16日(12〜20時)

定休日:日・月曜

料金:7ユーロ

最寄り駅:地下鉄6号線Bir Hakeim/RER C線Champ de Mars - Tour Eiffel

筆者

フランス特派員

守隨 亨延

パリ在住ジャーナリスト(フランス外務省発行記者証所持)。渡航経験は欧州を中心に約60カ国800都市です。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。