9月のお題「就職活動」~Co-op編~

公開日 : 2011年09月21日
最終更新 :
筆者 : タマ治郎

さて、この前に引き続き、今月のお題「就職活動」について書いていきたいと思います。前回は転職についてでしたが、今回はCo-opについてお話ししていきたいと思います。

このCo-opという単語、日本で良く耳にする「生協」とは全く違います。

これは有給のインターンシップの事です。カナダの大学(College)ではこのCo-opを含んだプログラムがたくさんあります。期間はさまざまですが大体冬学期が終わる4月の下旬~5月から秋学期が始まる8月の終わりの夏の間に行われます。

私の通っていたNiagara CollegeはこのCo-opにすごく力を入れていて、学生が少しでも良い経験・ポジションが詰めるように、このCo-opの期間が10月の感謝祭までとおよそ6ヶ月間もあります。まぁその分秋学期が3ヶ月もない(クリスマス前に期末試験も終わるのでだいたい2ヶ月間)のですごい急ピッチのキツキツで授業が進みます。Co-opが終わり、秋学期が始まって最初の1週間くらいは余裕で、バイトでもしようかと思っていたら、その次の週からプロジェクト、テスト、グループワーク、プレゼンテーションにレポートとすごい大量の課題で本当にみんな死にそうでした。私も何回か徹夜で課題を仕上げたこともありました。

でも、その分、Co-opでは優遇してもらえます。というのもほとんどの学生は9月に入る前に戻ってしまうので、雇い主としては感謝祭まで働ける学生は重宝されます。

このCo-op、雇い主にもメリットがあります。Co-opの生徒の給料の税金が免除される上に、こういった生徒はその道を目指して学校に行き、Co-opを行っているので、仕事におけるパフォーマンスはもちろん向上心や姿勢が高いということです。

ではこのCo-op、どのように就職活動して行くのかを話したいと思います。もちろん、Co-opプログラムが組み込まれている学校や学科を探すのが第一です。と言うのも、留学生は学生ビザの他にCo-opビザという、就労ビザの一種を取得しなければいけないからです。このビザが無いとカナダでCo-opの経験を積むことは出来ません。

Co-opの期間が近づいてくると、大体どの学校もCo-op Placementのクラスがあります。私もこの授業が毎週1回あり、履歴書、カバーレター、サンキューレターの書き方から、面接のポイントなどを教わりました。模擬面接のテストは初めはすごく嫌で嫌でしょうがなかったのですが、今となってはすごく良い経験です。面接の最初から最後までをきちんとアドバイスしてもらえる機会はこれは最初で最後だったかもしれません。

Niagara CollegeではJob Centreという部屋があり、求人情報がたくさん揃っています。履歴書のアドバイスが欲しい時、電話面接で静かな部屋を使いたい時などにも使えます。電話やFaxも使い放題だったので、長距離電話が必要な時はとても助かりました。

Co-opは必須科目なので、これをきちんとやらないと卒業する事が出来ません。ですから学校側も仕事を探すのに熱心に付き合ってくれます。私の学校では何回かJob Fairというものがあり、ホスピタリティー系のJob Fairの時にはホテルやレストラン関係の会社がたくさん集まり、その場で履歴書を渡して面接、なんていう事も多々。

しかもこういう所の生徒を優先的に雇ってから、一般公募したりするので3,4ヶ月前から夏の仕事をGet出来ちゃいます。

もちろん、こういう助けを利用しないで、自力で仕事をGetする方法もあります。私はフロントデスクをやりたかったのですが、何処も経験者じゃないとダメと言われ、ではその経験は何処で積めば良いのか?という事になり、とりあえず毎日インターネットで探しまくりました。そして履歴書を送り、電話面接や面接を経て採用となります。

探し方は、転職の時にも紹介したように、インターネットが強い味方です。そして、Co-opは夏の期間だけなので、Seasonal=季節労働、Contract=契約社員、Short Term=短期、この3つに絞って検索します。Parmanentというのは長期、正社員の意味合いが強いのでこれは避けましょう。また労働時間も重要です。Co-opでは最低就労時間に満たないと単位がもらえないので、出来るだけFull Timeで探します。Full Timeの定義はすごく曖昧ですが大体週に36時間以上働く場合を指すようです。逆にPart Timeというのは週に25時間以下くらいの事を指し、いわゆるバイト・パートといった感覚です。

季節労働は、遊園地やリゾート地のホテル、おみやげ屋さんなんかでたくさん募集しています。大体年が明けた頃から募集がかかるので、行きたい所ややりたい職がある人は早めの行動をオススメします。またリゾート地での仕事は、宿、場合によってはご飯まで提供(又は天引き)されたり、契約期間終了まできちんと働くとボーナスが出たりします。

Co-op期間中は、レポートの提出を求められる場合があります。私の場合は、Co-opの中間辺りで、Co-opのコーディーネーターがわざわざ州をまたいで(オンタリオ州からアルバータだったので飛行機で4時間程度。)訪問し、私、マネージャー、スーパーバイザー、そしてコーディーネーターの4人での面談の様なものがありました。そこでマネージャーやスーパーバイザーから日頃の仕事の成果や改善点を言われました。

私はこの面談がとても良い機会だったと思います。と、いうのも他の従業員はこういう機会を設けてもらうことがなく(Seasonalの場合は期間が短いので特に)、自分の改善点が全く分からないままシーズン終了、ということも。私がCo-opを行ったColumbia Icefieldという所は、シーズンの終わりに、仕事ぶりに応じてボーナスが出ます。私は、この中間面談からの改善点が認められて90%のボーナスを頂く事が出来ました。

が、卒業後に2シーズン、フロントデスクとして戻ったのですが、Co-opではなかったので中間面談が無く、シーズンの終わりに、「ミカはこことここが出来てなかったから、ボーナスは50%!」みたいに言われ... 改善する余地もなく終了でした。

なのでCo-opの生徒はこういう点では恵まれていると思います。仕事で自分が活かせている事と、伸ばして行かなければいけない所を直接教えてもらえるとても良い機会です。

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私がCo-opをしていた頃の写真です。もう5年前なので恥ずかしい... 最初に対応した電話がイギリスからで、イギリス英語のアクセントが全く聞き取れず泣いたことも今では思い出です。日本人は私一人。留学生活で一番成長した時期かもしれません。

毎日電話対応から、チェックイン、チェックアウト。忙しい時期はチケット売りの手伝いもしました。

左はこの時のアシスタントマネージャーのKen。彼と電話面接をして仕事をGetしました。

私はこのCo-op先のColumbia Icefieldに卒業後も就職し2シーズンフロントデスクとして働きました。私の友達もCo-opをしたホテルの違うロケーションに就職したりと、卒業後の就職の手助けになるのもCo-opの魅力です。何よりもインターンシップと違って有給なので、働く側にもやりがいと責任が生まれる好機会。

そして自分の仕事ぶりが良ければ、後輩達のCo-op受け入れにも積極的になり、学校への貢献度も上がります。私がCo-opをした後、2年連続で同じ学科の子がCo-opをしに来てすごく嬉しかったです。カナダで何か役に立てることをしたという達成感はすごく大きい!

もしもカナダで留学を考えてる方は、是非このCo-opプログラムの事も考慮に入れてみては???

筆者

カナダ特派員

タマ治郎

2009年よりカナダの首都オタワへ。人生の半分以上をカナダで過ごしてる事になりました。

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