ノルウェーの画家アイリフ・ペーテシェンの「夏の夜」が「北斎とジャポニスム」展に/ 国立西洋美術館

公開日 : 2018年01月27日
最終更新 :
筆者 : る。
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上野にある国立西洋美術館で開催中の「北斎とジャポニスム」展。

葛飾北斎の作品が、印象派をはじめとした19世紀後半の西洋美術に影響を与えた、という観点から企画された展覧会です。

19世紀半ばに日本開国して以降、日本の美術や工芸品がヨーロッパでもてはやされ、ジャポニスムという日本趣味が広まりました。

また、西洋の芸術家が日本美術からインスピレーションを受けて自らの創作に取り入れたことも、ジャポニスムと呼ばれます。

ジャポニスムはフランスを中心とした現象ですが、その影響は北欧にも広がりました。

ノルウェーの代表的な画家Eilif Peterssen(アイリフ・ペーテシェン)の作品「Sommernatt(夏の夜)」(1886年)にも日本美術からの影響が見られます。

オスロ郊外のフレスクムで1886年夏に描かれました。

ノルウェーの薄明るい夏の夜の風景を描いています。

一見すると、まるで写真で写したような自然主義的な絵ですが、よく見てみると自然の持つ本来の色とは少々異なっていることに気が付きます。

色彩が単一的にまとまり平面性を強調する傾向への兆しが見られます。

前景と遠景の距離が比較的近い空間の構築も日本美術からの影響があると言われています。

また、画面の前景の中央に木の幹が描かれた大胆な構図は、北斎作品からのインスピレーションが見られると言えます。

絵画(油彩/キャンバス)の寸法は133 x 151 cm。

この絵の前に思わず立ち止まって見入っていらっしゃる鑑賞者を何人か見かけました。

水底が見えるような水面の透明感等、今回の展覧会で他の作品と比較して際立っていたと感じます。

「北斎とジャポニスム」展に出展されていますので、2018年1月28日(日)の会期終了まであとわずかですが、お時間のある方はぜひ足を運んでみて下さい。

会場: 国立西洋美術館

住所: 〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7

TEL: 03-5777-8600

* 掲載内容は記事公開時点のものです。

* All photos credit to the author.

筆者

ノルウェー特派員

る。

2015年よりノルウェーのオスロで生活。北欧の食やカフェ巡り、美術やアート・デザイン、雑貨に興味津々。

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