ノルウェーの携帯電話事情、各通信事業社の広告戦略

　iPhoneが止まらぬ勢いで主流となってきているノルウェー。携帯電話市場が目まぐるしく変化する中、各通信電気事業社はどのような広告戦略でブランド名を浸透させているのでしょうか？ノルウェーでよく見かける各通信事業社のCMをご紹介します。

テレノール(Telenor)

　携帯電話などの無心通信サービスなどを提供するノルウェーの国営企業テレノール（Telenor)。テレノールと聞いて人々が連想するのは、まずテレノールの短いメロディー。下のYoutubeのCMをご覧いただくと、最後にテレノールの有名な水色のロゴと同時に、短いメロディーが流れます。ノルウェーにいる時に、高確率でどこかで耳にする音です。

　下記のCM内容は、学校で女の子が「未来」についての作文を発表。携帯電話の未来を語っています。「いつか、携帯電話はポケットに入れられるくらい小さくなります。いつか、携帯電話の小さい画面上で、相手の人の顔を見ながら話したり、ニュースを見たり、サッカーを生放送で見たりすることができます。いつか・・・」と語り続けます。クラスの子にはバカにされ、彼女の携帯電話の未来像を聞いた先生、医師、精神科医をはじめとする大人たちは、彼女の頭がおかしいのではないかと心配します。娘がおかしくなったと涙する母親のシーンもありますが、もちろん最後には「今、テレノールの携帯電話機器ではこれらのことがすべて可能です！」というエンディングと、テレノールの短いメロディーが待っています。テレノール　HP

ネットコム（NetCom)

　スウェーデン傘下の大手通信業者ネットコム（NetCom)の、男性と女性が向き合ってコミュニケーションしているオレンジ色がメインのロゴが有名。このロゴにあわせて、ネットコムでのTVCMは、男女のカップルがコミュニケーションしているエピソードが主流。ただ、「コミュニケーション」といっても、ケンカばかりしています。NetCom HP

　下のTVCMは、彼女と携帯電話がつながっていると気付いていない彼氏が、道路をふさいでいる牛に向かって、「このバカ牛！なにもわかっていないんだな！俺は前に進んでいかないといけないんだ！どけ、デブ！（手を振りながら）シッシッ！」と牛に叫びます。この罵声が自分に向かって言われていると勘違いした彼女は「え？なんのこと？私たちうまくいっていると思っていたのに！デブですって？」と携帯電話にイライラしながら話しかける、というストーリーです。

TELE2

　最後に、スウェーデンの通信事業社である、TELE2のアイコンキャラクターの黒い羊は有名。彼の名前はフランク(Frank)。一時期大量のTVCMや街頭ポスターが至る所に出ていたので、親近感を沸くと同時に、「もういいよ」とフランクに飽きた人もいるようです。Facebookには「TELE2のフランクは見飽きた」というノルウェー人たちが集まった（アンチ）ファンページまであります。TELE2 HP

　このTELE2のCMは、英語の「羊」（シープ／Sheep)と、「安い」(チープ／Cheep)をジョークにしたものです。黒い羊のフランクが広告塔になる時は、「安い／チープ」と、「羊／シープ」がネタになるのが定番。「安い携帯電話料金」がもちろん宣伝趣旨ですが、黒い羊のフランクは自分が「安い羊」とバカにされているのかと、度々憤慨しています。

　どこの会社の広告も、最初から「携帯電話の宣伝」だとは分からないようになっていて、最後まで見た時に、「あー、あそこの携帯の宣伝か」と意表をつかせることで、視聴者に広告を印象付けます（黒い羊のフランクだけは、登場した瞬間にどこの会社の宣伝かすぐ分かりますが）。携帯の通信事業社はほかにもたくさんありますが、今回はTelenor、NetCom、TELE2の広告をご紹介させていただきました。

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