<トロムソ>オーロラに関する言い伝え~不吉なオーロラ~

公開日 : 2011年01月06日
最終更新 :
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「不吉」、「死」を予言するオーロラ

 言い伝えなので情報源によって多少違いはありますが、オーロラ観測で有名なトロムソの人々やインターネットで調べたところによると、地元の人にとってオーロラが「不吉」なものであることには変わりがないようです。

 スカンジナヴィアの先住民サーメ人は昔からオーロラを神々のなす業と考え、特に神々が怒っている時にオーロラが現れるとも。オーロラの色彩が激しく変化する時や赤いオーロラが得に不吉。ウィキペディアによると、北欧神話においてオーロラは、夜空を駆けるワルキューレたちの甲冑の輝きだともいいます。

 また、14世紀末にノルウェーの人口が黒死病により半分以下になって以来、オーロラが空に現れる時は「不作の年」、「黒死病」とも昔から言うそうです。

オーロラがブレイクすると、子どもがさらわれる

 オーロラが大きくうねるときを「オーロラがブレイクする」といいますが、この時「子どもがさらわれる」と私のトロムソ出身の友人たちは大人から教えられていたそうです。「大人が言うことを信じていたから、小さい時はオーロラが怖くかったよ」と言う人もいます。

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 ノルウェーの昔の海賊ヴァイキングの絵などを見ると、オーロラが航海する船と共に描かれていることもよくあります。天国と地獄を結ぶ橋だとも言われていたようです。また、北欧ではオーロラは「亡くなった女性」、「処女の魂」を意味することも。 神々からの罰、悪事が蔓延した年に「罰」として現れるのがオーロラと言われることもあります。

白い服を振りかざすとオーロラがブレイクする

 現在、ノルウェーでは「白い服を振り回すと、オーロラがさらにブレイクする」と子どもたちは信じているようです。「私も小さい時に白い服をオーロラに向かって降ってたよ。何もすることがなくて、つまらない時に友だちと外に出て、オーロラが出ていたら白い服を持ってぶんぶん振り回してた」とトロムソの友人も語っています。

 ただ、60年代のトロムソのおばあちゃんは「白い服や布をオーロラに向かって振り回しちゃダメよ。オーロラの輝きが強くなったら、オーロラの波がきて、さらわれちゃうわよ」とも言っています。

 このようにオーロラに関しては色々な言い伝えがあります。オーロラが現れる地元の人にとっては本来は不吉なものですが、今では観光目的として多くの国から人々が地元の経済を潤しています。昔の人々にとってはちょっと皮肉的な現象かもしれませんね。

参照

「Det farlige nordlyset」 http://www.nordlys.no/debatt/kronikk/article1754174.ece

「Nordlys, Mytologi og overtro」 http://nordnorsk.vitensenter.no/himmel/nordlys/mytologi.php

「Myter og overtro」 http://www.fjordnorge.dk/norsk/myter_og_overtro.htm

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