岡山城がなかったら「石山県」だったかもしれない岡山県! ~後楽園界隈~

公開日 : 2017年12月20日
最終更新 :
筆者 : mami
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ここには、藩政を行った表書院などがありました。

今はだだっ広い広場ですが、かつての間取りが

地面に御影石で仕切られているので想像力を膨らませながら歩けます。

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わかりやすく平面図がありました。

南側は城主に謁見できる「表書院」

北側は城主の公邸「南座敷」、休息のための「招雲閣」などがありました。

登城してきた家臣など、多くの人が従事していた建物にしては

玄関が意外と小さいんですよ。

岡山城は宇喜多秀家が築城し「岡山」という丘の上に建っています。

それが岡山という地名の由来といいます。

秀家の父、宇喜多直家の居城は近くの「石山」にありました。

そのまま石山城を使っていたら今頃、「石山県」と呼ばれていたのでしょうか?

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ここ、中の段の表書院の地下には

宇喜多秀家の時代に積まれた石垣の遺構が残っています。

保存のための階段を下りると見ることができました。

書院を作るときに、これらの石垣は埋め立てられたそうです。

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下から見えた大納戸櫓や多門櫓があった場所です。

かつては、ここから城下を見下ろしていたのでしょうが

今は周囲の建物から見下ろされてしまう高さになってしまいました。

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「伊部櫓」と「数奇方櫓」の間にあった泉水(せんすい)の名残りです。

この中庭には茶室が建っていたそうです。

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こちらは国の重要文化財の月見櫓です。

塗籠(ぬりこめ)造り本瓦葺で一部が地下になっています。

三層の層塔型ですが、城外から見ると二層の望楼型に見えます。

城外への臨戦の備えをした櫓ですが

一方、二階の城内側の窓には雨戸を持った縁側が廻り

明かり障子を立てるなど御殿仕様となっているそうで

月見など四季の眺望を楽しんだりすることができたそうです。

満月の夜には公開してほしい場所です。

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櫓付の「不明(あかず)門」から本段に登ります。

最上段の本段は城主の私邸であり、普段は閉まっていたため

こんな名前がついたようです。

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じゃ~ん。

本段に登ると宇喜多秀家が八年の歳月をかけて築城した

三層六階建ての天守閣が聳えます。

かつては国宝でしたが、B29による岡山空襲で焼失し

1966年にRC造で再建されました。

天守閣の左側には城主の私邸「本殿御殿」がありました。

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天守台は珍しい北に大きく突き出た不等辺五角形で

塩櫓と呼ばれる櫓が附属した複合式の天守閣です。

本丸の搦め手にある「廊下門」です。

明治期に取り壊されましたが天守閣とともに再建されました。

敵を迎え撃つための備えがある一方

御殿のある本段と表書院(藩庁)のある中の段を結ぶ

城主専用の廊下でもあったそうです。

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今まで行った姫路城、金沢城、松本城、松江城など名城の

お膝元には、城下町の風情が色濃く残っていたのですが

岡山城は戦災に遭ったため、焼け残った出石町界隈にしか

城下町の風情が残っていません。

その出石町も保存運動がある一方

民家はハウスメーカーなどの住宅に建て替えられ

風情はどんどん薄れてきているのが残念です。

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石垣だけが当時の名残をとどめ

城下町という風情は感じられない岡山城周辺ですが

岡山市民会館のある場所は、二の丸があったと伝わっています。

また、西ノ丸のあった内山下小学校跡地は

国重要文化財指定の西ノ丸西手櫓が残っています。

市民会館は移設が決まっているので

再開発の際には隣のNHK跡地とともに

岡山城と連続性を持たせた史跡として残しもらい

魅力ある城下町にしてほしいなぁ。

最後に今月23日から「烏城 冬の和のおもてなし」と銘打って

イベントが始まります。

不明門や天守閣内で甲冑、小袖、袴、忍者などの衣装を着用できたり

お琴演奏を聞いて楽しむことができます。

詳しいことはこちらをクリックしてくださいね。

筆者

岡山特派員

mami

岡山生まれの岡山育ち。岡山市内在住の生粋の「おかやまっ子」です。

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