津川の歴史を振り返る。~新潟県阿賀町津川の歴史跡巡り~

公開日 : 2018年05月11日
最終更新 :
筆者 : fuji

5月6日撮影。新潟県阿賀町津川の歴史巡りに行ってきました。

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津川駅から30分ほど歩いた場所にある、狐の嫁入り屋敷からスタート。

毎年5月3日に行われるイベント"狐の嫁入り行列"の出発地に近く、市街地の一角にある地元産スギを使ってつくられた建物。

中は木造りの3階建て(3階は展望台)であり、1階で靴を脱いでゆっくりと観覧することができます。

資料館のように津川や狐の嫁入りの歴史が学べたり、お土産・軽食が楽しめるほか、狐火をテーマとした映像室や狐のお面つくり体験も津川の文化に触れることができ、観光スポットで人気の場所。

"狐の嫁入り"という由来は、かつて津川の結婚式は夜に行うものだったという風習もあったそうな、狐火の目撃も見られたとか。

それを現在では"狐の嫁入り行列"として阿賀町の行事となっています。

広々としたガラス戸や外のテラスからは阿賀野川と麒麟山が一望でき、他の山々も加えて遠くまで眺めることが出来ます。

館内の販売では、地元の名産である雪椿の石鹸やオイル、うどんや狐の嫁入りクッキーなどが販売中。

【狐の嫁入り屋敷】

住所:新潟県阿賀町津川3501-1

駐車場:あり

料金:入場無料(※映像や面つくりは別途料金)

営業時間:9:00~17:00(※木曜定休)

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狐の嫁入り屋敷から出てすぐ裏に進むと、間近まで阿賀野川に近づけます。

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川の方とは逆に、嫁入り屋敷から道路に出て右手の方向に歩いていくと、向かいの道路に"豪商・平田家の屋敷跡"の大きなレンガ造りの塀が見えてきます。

豪商の名残として当時の繁栄ぶりを表しているようなレンガ塀であり、舟による交易・醤油や味噌などの幅広い商業を営んだ後、明治11年に会津に開業などを発展したそう。

津川歴史の名所のひとつですが、今は塀のみとなっています。

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すぐ先に進むと「雁木発祥の地」に続き、豪雪地帯で生み出された"とんぼ(軒からひさしを伸ばしたもの=雪よけの屋根)"が道路の通りに面しています。

つくりは一般的なアーケードとよく似ていますが、アーケードは歩道に連続して屋根が付いているものとされているのに対し、雁木は個々の商店が自宅道路に面した場所に屋根を付けて、一般人の通行に開放しているといった違いがあるとされます。

1610年に起きた津川大火の復興の際に、津川城主・岡半兵衛重政により家々の玄関先の土間にひさしをかけて雁木がつくられ、私有地を公共のものとして昔から大切な通路とされています。

(雁木発祥の地・碑文より参考)

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雁木通りを進むと住吉神社・琴平清水があり、そこから道路を渡り阿賀野川沿いに出て嫁入り屋敷の方へ行き戻ると『津川河港』が見えてきます。

江戸時代、津川は会津藩の西の表玄関であり、津川で陸揚げした海産物や塩などを会津へ輸送、会津からの産物は津川で船積みして新潟へと運ばれました。

船着き場は"大船戸"と呼ばれ150隻の船と100人程の丁持衆でにぎわい、「日本三大河港」と言われていたそう。

その後、大船戸の川下に"新河戸(水量の増減に対応できる)"が建設され、鉄道開設や下流のダム建設で港の機能が失われました。

津川河港を屋敷の方にさらに進んでいくと、津川河港跡(大船戸)があり狐の嫁入り屋敷に戻ります。

狐の嫁入り屋敷の周辺から徒歩で、ぐるりと数十分周ることができる歴史跡巡り。

近くまで来た際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

筆者

新潟特派員

fuji

新潟県在住。新潟の四季折々をお伝えします。

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