高鴨神社は賀茂社の総本社

公開日 : 2018年08月16日
最終更新 :
筆者 : 大向 雅

高鴨神社(たかがもじんじゃ)という名前をご存じでしょうか?

少し神社のことに詳しい方なら「おいおい・・・上賀茂?or下鴨?の間違いじゃ?」となるかもしれませんね。

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京都の上賀茂神社、下鴨神社といえば、堂々の世界文化遺産ですし、京都の中でもとりわけ古い歴史を持つ神社ですから、いきなり奈良の高鴨神社という名前を出されても、なんだかニセモノっぽいような気がする人は少なくないでしょう。

しかし...

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奈良の御所(ごせ)市にあります、この高鴨神社は、上賀茂神社、下鴨神社を筆頭に全国に鎮座している賀茂社の総本社と称されている格の高い神社なのです。

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場所は大阪と奈良の県境にどっしりとある金剛山(こんごうさん)と葛城山の麓になり、古代より葛城王朝(かつらぎおうちょう)が栄えていた所で、鴨(かも)一族の発祥とも云われています。

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見るからに何かパワーが感じられる一の鳥居

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けっこう長い参道を歩くと二の鳥居があり、その後ろに階段がでてくる。

この階段の上に拝殿と本殿。

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現在の本殿は1543年(室町時代)の建物で、三間社流造り(さんげんしゃながれづくり)という建築様式です。式年造体で何度も修理をしているおかげで極彩色がとても綺麗です。

そしてこちらの御祭神は...

阿治須岐高日子根命(アジスキタカヒコネ)

下照姫命(シタテルヒメ)

天稚彦命(アメワカヒコ)

あまり耳慣れない上に長いので、三柱の神々のお名前は一度に頭に入らないですし、なんとなく聞いておいて下されば結構だと思います。

しかし、この阿治須岐高日子根命という神様こそが迦毛之大御神(カモノオオミカミ)とされています。下照姫命は妹であり、その夫が天稚彦命となります。

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そして境内一番奥にある西神社には母神の多紀理毘売命(タギリヒメ)が祀られています。

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下鴨神社の御祭神にはやはり同じく迦毛之大御神、または八咫烏(ヤタガラス)と呼ばれる賀茂建角身命(カモタケツノミ)と娘の玉依姫命(タマヨリヒメ)の二柱の神、上賀茂神社の御祭神は玉依姫命の子供が祀られています。

ちょっと難解かもしれませんが、このようにカモと名の付く神社には賀茂ファミリーが祭神となっているのがお分かりいただけると思います。

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事実、日本書紀には八咫烏(やたがらす)が、イワレビコ(後の神武(じんむ)天皇)を熊野から大和へ道案内したことが記されていますし、神武天皇から第九代開化(かいか)天皇までの間、勢力を誇っていた全盛期には大和・河内・紀伊・山城・丹波・吉備の諸国にまでその勢力が広がっていたと考えられています。

日本には1300年前に作られた古事記や日本書紀という立派な歴史書が存在するだけでなく、現代まで一度も途絶えることなく脈々と歴史を繋いできています。その内容ついて様々な研究がなされており、現在に於いても解釈はマチマチなのですが、まさにその冒頭の神話の世界の場所にリアルに建つ高鴨神社の由緒はただならぬものがあることは、疑いようもありません。

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それに境内を歩いているだけでも、実際に何か元気になってくるような気持ちになるほど、猛烈な「気」が感じられる場所なので、ここも有力なパワースポットだと思います。

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単に宗教施設という観点ではなく日本の原点として、日本中の人達がこのような神社に来ていただき、あらためて日本の歴史を感じていただけたらと思います。

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