イタリア映画サントラ界の巨匠ルイス・バカロフの死

公開日 : 2017年11月16日
最終更新 :

 11月15日18:30未明、「イル・ポスティーノ」で広く知られる音楽家ルイス・バカロフが死去されました。享年84歳でした。

1933年8月30日にアルゼンチンのサン・マルティンで生まれ、ピアニスト・作曲家・指揮者・編曲家として活躍したバカロフ氏はイタリア国籍を持ち、ローマの自宅の近くの病院にて息を引き取りました。

 ご家族と共にその場に居合わせた夫からの話だと、穏やかな表情で静かに亡くなったそうです。脳溢血のため病院に運ばれたのが約一週間前のこと。それまでもこの一年間は老人性鬱のため活動を休止していました。

 活動休止するまでは、年齢を全く感じさせないタフさで世界中を駆け回って音楽活動をしていました。私は夫を通して知り合い、彼らのコンサートにアシスタント、または観客、時として共演者として関わる機会に恵まれ、マエストロの人間臭いほどの情熱深さ、人情味、音楽に対する完璧主義なところなどに夫婦共々惹かれていました。

 30代半ばの夫とレコーディングの際に音楽性が合わず大喧嘩していた時などはもう気が気ではありませんでしたが、その一ヶ月後にロンドンのAbbey Road Studioにて2人で録音を聴いて、肩を抱き合って和解し、マエストロの方から謝ってくださったと聞いた時には、その人間性にますます惚れてしまいました。

 日本でもよく知られる「荒野の用心棒」「母をたずねて三千里」「遥かなる帰郷」「カラヴァッジョ 天才画家の光の影」など、実に50作以上の映画音楽以外に、ピアノ曲や連弾曲、協奏曲など数々の名作を残しています。

 結婚式にも来てくださり、公私ともに仲良くさせていただいていたため、本当に淋しいです。

 マエストロのご冥福を心からお祈りします。

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 これを機会に、「イル・ポスティーノ」を観たことのない方は是非観てみてくださいね。ナポリの前に浮かぶプロチダ島という田舎町を舞台にした郷愁誘う素晴らしい映画です。

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