交通機関タダ乗り罰金は2万円以上!? ゆる~く、ずるいイタリアが本気の取り締まり?

公開日 : 2016年02月25日
最終更新 :

 この2月中旬から、イタリアの地下鉄、バス、トラムなどの公共機関の交通規定が変わりました。オレンジに白抜きのMの字がメトロ、地下鉄の駅入り口のマークです。

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 地下鉄の改札を出る時にも、必ずチケットを改札機に通さなければなりません。というのは、地下鉄に乗る場合の改札ではチケットを改札機に入れなければならなくても、出る時は改札のバーを押してただ通るだけでよい駅も多かったのです。

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 バス、トラムにはチケットに乗った時間を刻印する機械があり、これが義務となっていました。しかし実際はタダ乗り、無賃乗車もできないわけではありませんでした。抜き打ちで係員数人が乗り込んできた際に、チケットを持ってなかったり、この刻印を忘れていた人が罰金を取られていたのです。

 ある調査によると、イタリア全体で約20%の人が無賃乗車をしていたというデータがあります(ローマは40%だとか・・・)。またヴェネツィアのヴァポレットと呼ばれる水上バスでも、4・7%の乗客がタダ乗りをしていたんだそうです。「見つからなけれはラッキー」という気持ちなんでしょうね。

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地下鉄改札口近くのチケット自動販売機

 地下鉄の改札口にしろ、バスやトラムにしろ、どうして最初からきちんとチケットを購入していないと乗り降りできないシステムにしなかったのか、不思議でなりません。そうすれば抜き打ち検査で罰金を取られる人もいないだろうし、物事が正常に運ぶだろうと思うのですが・・・イタリア人の考えていることは全くわかりません。

 この不正乗車のせいで、イタリア全体の損失は年間4億ユーロ(約520億円)から5億ユーロ(約650ユーロ)だそうです。この金額はバス1800台相当にあたるとか。

 また罰金を命じられた人できちんと支払ったのは、全体の約30%にすぎないという統計があります。赤字になるのは当たり前でしょう。

 年間に何十回もストライキをし、時刻表通りに動かないのは当たり前の電車、バスなどの公共機関。全国10都市3500人の利用者に聞いたところ、平均の遅れはシチリア島のパレルモで18分、ナポリで15分、ローマで14分だったといいます。公共機関が機能しないため、どんどんイタリアが自家用車社会になっていくのも無理はありません。

そこで、バスなどが30分以上遅れた場合はチケット料金を払い戻しする案も出てきているようです(天候事情を除く)。

 その分、無賃乗車のコントロールは厳しくなり、最大200ユーロ(約2万6000円)の罰金が科せられる法案も出てきているとか。

 ミラノでは見本市会場のあるロホ・フィエラ(Rho Fiera)など一部の郊外を除いて地下鉄とバスの共通チケット1回1.5ユーロ(90分間有効)、一日24時間券が4.5ユーロです。改札でチケットを通すと裏に日付と時間が刻印されます。

 イタリアでは乗り越し精算というシステムがありません。最初から正規のチケットを買っておかれるよう、郊外の見本会場へ行かれる方などはご注意ください。

 この新しい法案成立で無賃乗車が減り、公共の交通機関の遅れもなく時刻表通り正確に動くかどうか?

 それは"神のみぞ知る"とだけしか言えないでしょうね。

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