リヨン郷土料理店「ブション」の楽しみ方ガイド
リヨン郷土料理を食べるならブション(Bouchon)へ。お店選び、注文から会計まで、ブションの楽しみ方のポイントをご紹介します。
お店探しと予約
リヨンにはたくさんのブションがあります。レストラン街のプレスキルのメルシエール通り、旧市街、マロニエ通りで、気に入ったお店に入るのもいいですが、迷った時はこのマークを探してみてください。認定マーク「レ・ブション・リヨネ」
お店の壁やドアに貼ってある「レ・ブション・リヨネ」は、料理やサービスの質を保証する認定マークです。2012年にリヨン観光案内所と商工会議所が作ったもので、パリの1店舗をのぞいて、現在市内にある20軒が認定されています。レ・ブション・リヨネのサイトで一覧から探せます。
「古典的なブション」と「洗練されたブション」どっちがいい?
ボリュームたっぷりで、安くて美味しいブション。最近は時代にあわせて、程よい量で、美しく盛り付けたブション料理のお店が増えています。
古典的なブションなら、オペラ座の近くにある Le Garet(ル・ガレ)。洗練されたブションなら、Daniel et Denise(ダニエル・エ・デニス)がおすすめです。
気を付けるポイント
◆月・土・日は、営業日を要チェック
日・月休みだったり、平日営業で土日は休み、というブションもあります。小さい路地にあるような隠れたブションは特に、営業日を確認しておきましょう。旧市街など、観光客の多い場所にあるブションは、土日も営業してます。
◆金・土の夜は、前もって予約する
週末は混むので、前もって予約しておくのがベスト。こじんまりしたブションなら、平日も予約しておいたほうが安心です。フランス語で予約するのは難しいなという方は、トリップアドバイザーのサイトから予約できるお店もあります。予約後メールが届くので、確実に予約したい人にもおススメです。
◆ランチは13時までに、ディナーは19時以降から
フランスの食事時間はきっちりしています。ランチは遅くても13時までには行きましょう。ディナーは19時以降から営業が始まります。18時に開いているお店は少ないです。19時に行くと店内があまりに空いてて「このお店大丈夫...?」と不安になりますが、食事時間の20時になると徐々にお客さんが入ってきて、気づけば満席になります。
お店に入って、席に着くまで
ブションらしい店内の装飾赤いチェックのテーブルクロス、丸くて背の低いワイングラス、木製の椅子やカウンター、壁に飾られた鍋や写真と絵、となりの席に手が届くほどキュッと詰められたテーブル席。
1、お店に入る
スタッフが人数を聞いて、席へと案内します。高級レストランではないので椅子は引きません、気楽に入りましょう。フランスでは、店内の喫煙が法律で禁止されているので、たばこを吸いたい方はテラス席に座りましょう。
2、席に着くと、とりあえず食前酒を聞かれます
日本の居酒屋で、「とりあえず生ビール」というのと同じ感覚です。席に着くと、メニューとおつまみを持ってきて、まず食前酒を聞かれます。決まってなければ、メニューを見てゆっくり考えても大丈夫です。ときどきメニューも渡さずに聞くお店があるので、その時はメニューがあるか遠慮なく聞いてください。レストラン街のお店は、だいたい英語メニューが置いてあります。食べたい料理をメモして持って行くと、メニューが読めなくても注文できて便利です。
メニューを見る
ブションの予算
ランチは、本日の料理 Plat du jour(プラ・ド・ジュール)9ユーロ~。数種類の中から選べる、メイン+ 前菜またはデザートの組み合わせの Formule Midi(フォーミュル・ミディ)12ユーロ~。ディナーは、前菜+メイン+デザートのコースが25ユーロくらい。安いブションなら、19ユーロ~あります。
ボリュームに注意!
単品のアラカルトにする場合は、日本人的に3人前くらいのボリュームでくるお店もあるので、頼む前にサイズを聞くか、とりあえず1人1皿にしましょう。男性でもメインの途中で「参りました!」と言うほどのボリュームなので、デザートはおなかの余裕があればを注文するくらいの気持ちで。デザート付きのコース料理を選んだ場合も、最初の注文で聞かれるのは前菜とメインだけです。デザートの注文は、メインが終わってお皿を下げるときに聞かれます。
ブション料理のコース
おつまみからコーヒーまでをご紹介します。
おつまみ
ドリンク
食前酒には「コミュナール」
ブションの食前酒といえば、カシスリキュールに赤ワインを混ぜた「コミュナール」。甘く飲みやすいので、少しならお酒を飲めるという方にもおすすめです。写真は、左がコミュナール、右はキール(カシス+白ワイン)です。
上げ底瓶の「ポ・リヨネ」
食前酒がサービスされると、料理と食事中に飲むワインなどのドリンク注文を聞かれます。メニューには、グラスワインが1~3種類くらい。カラフェにすると、底の厚いリヨン独特の上げ底瓶に入ってきます。サイズが2つあって、
Fillette 0,25 cl(フィエット) ...グラスに少なめ2杯分くらい。Pot 0,46 cl(ポ)
水もこの瓶でサービスするお店もあります。ワインリストのワインは、普通のボトルのままサービスされます。このボトルは、お土産屋さんにも売ってます。
フランスでは、パンと水道水は無料です
お水は「カラフ・ドー・シルブプレ」というと、水道水をいれたカラフェを無料で持ってきてくれます。ミネラルウォーターなら「ロ・プラット・シルブプレ」、ガス入りなら「ロ・ガズーズ・シルブプレ」というと伝わります。パンは頼まなくても無料で出てきます。ついつい美味しくて食べ過ぎてしまいますが、メイン料理が食べきれなくなるので控え目に。
前菜
リヨン郷土料理の超定番、厚切りベーコンと玉ねぎにポーチドエッグがのったリヨン風サラダ「サラダ・リヨネーズ」。リヨンのレストランやブラッスリーなら、どのお店もたいてい置いてある一皿です。
サラディエ・リヨネ(Saladier lyonnais)
3種類くらいのマリネの盛り合わせです。牛の鼻のスライス、豚足に似たゼラチン質の羊の足など、ちょっと変わったものもあります。古典的なブションに行くと、たっぷり入ったどんぶりが5つくらいテーブルにど~ん運ばれてきて、好きなだけ取って食べるスタイルで面白いです。例えば⇒Chez Chabert
メイン
カワカマスのクネル(Quenelles de brochet sauce Nantua)
リヨン郷土料理を代表するクネル・ド・ブロシェ。ふわふわクリーミーで、はんぺんに似た食感です。お店によって、茹でてソースをかけたタイプとオーブンで焼いたタイプがあります。定番はザリガニのナンチュアソースがかかっています。
タブリエ・ド・サプール(Tablier de sapeur)
内臓系OKの方は、牛の胃袋のカツレツがおすすめ。中はぷるぷる、外はたっぷりのバターで揚げ焼きしてサックサクの衣です。
牛のほほ肉やアンドゥイエットなど、お肉系の料理の添え物として付いてくる「グラタン・ド・フィノワ」。これで1食分なのでは!?という量が、グラタン皿に人数分まとめて運ばれてきます。日本のグラタンとは違ったミルキーな甘みとコクがあって、とってもおいしいです!
レストランで使ってみたいフランス語 その1
今食べてて、美味しい~!なら「セ・ボン」。
食べ終わって、美味しかったです!なら「セ・テ・ボン」。
メイン料理のお皿を下げるときに、いかがでしたか?と聞かれたときに使ってみてください。
簡単な発音なので必ず伝わりますよ。伝わった時の嬉しさも良い旅の思い出の一つです。
チーズとデザート
セルヴェル・ド・カニュ(Cervelle de canut)
リヨンのチーズといえば、「サンマルスラン」と「セルヴェル・ド・カニュ」。サンマルスラン(Saint-Marcellin)は、とろけだすクリーミーな白カビチーズ。"絹織物職人の脳みそ"という名のセルヴェル・ド・カニュは、ハーブが入ってたクリームチーズで、さっぱりとした日本人好みの味です。
タルト・オ・プラリーヌ(Tarte aux pralines)
ブションの定番デザートは、真っ赤なタルト・オ・プラリーヌ。どろりとしてかなり甘いので、正直好みが分かれます。古典的なブションは、プリン、洋ナシの赤ワインコンポート、リンゴのピューレなど、素朴なデザートで種類が多いです。大皿で数種類運ばれてきて、好きなだけとって食べて~なんていうお店もありました。
ブション料理ではないですが「クレーム・ブリュレ」と「ガトー・オ・ショコラ」は、だいたいどのお店もメニューにも置いてあります。軽めにしたいなら、フルーツサラダやアイスがさっぱりするのでおすすめです。
コーヒーは、デザートの後
カフェやサロン・ド・テでお茶する以外は、コーヒーはデザートを食べた後に出されます。デザートといっしょに欲しい人は、デザート注文の時に、コーヒーも一緒に持ってきてもらうよう頼みます。コーヒーに添えられてくる、チョコレートやビスケットは食後のちいさな楽しみです。
会計は席で「ラディシヨン シルヴプレ!」
使ってみたいフランス語その2
会計お願いします。は「ラディション シルブプレ!」です。ほとんどのお店が席会計です。基本的にサービス料込みになっているので、特別な注文をしていなければチップを払わなくても大丈夫です。メニューや伝票に"Service Compris"と書いてあったら、サービス料込みの料金という意味です。
食後はロマンチックな夜景散歩へ
ランチでガッツリ食べたあとは、たっぷり観光してカロリー消費。旅行初日の夜は、長旅の疲れが出るころなので、満腹のままホテルに帰ってぐっすり眠る。疲れてなければ、ソーヌ川やローヌ河で夜景を眺めたり、テロー広場からベルクール広場までライトアップされた街を散歩するとお腹が少しおちつきます。
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