女性アーティストが彩るロンドン地下鉄(4)ウォータールー駅
ロンドンの主要ターミナル駅のひとつ、ウォータールー。4本のロンドン地下鉄線とイングランド南部を中心に伸びる数社の地方鉄道が通っているため、英国ご滞在中に利用することも多いと思います。
そんな駅の一角に突然このゾウが現れるんだから、初めて見るとビックリしますよね!これはケンドラ・ヘイストという女性アーティストの作品。南西ロンドンのパットニーで生まれ育ち、現在ロンドン郊外サリー州を拠点に活動する彼女は、メッシュ状の金網シートを巧みに使った動物オブジェが有名です。
完成当初はグロスター・ロード駅に展示されていたゾウですが、地下鉄ジュビリー線が延長されウォータールー駅にも開通したのを機に、現在の場所に移転されました。ウォータールー駅で地下鉄プラットフォームへ続くエスカレーターに乗ると最も見やすいアングルで設置されているので、絶好のフォト・チャンス!
金網の色や質感がゾウの硬そうな肌を上手く表していて、とてもリアル。エスカレーターに乗ってすぐ通り過ぎてしまうのに、少し哀しそうな表情が印象的で、なんとも余韻の残る作品です。
ウォータールー駅以外の場所でも、彼女の作品をもっと観る事ができますよ。それはヘンリー8世と6人の妻でも有名なロンドン塔。ここでは中世時代、各国から連れてこられた動物たちも飼われていました。そんな歴史を踏まえた展示なのです。
たとえばホッキョクグマは、1251年にノルウェイ国王から贈られたそうです。時折テムズ川を泳がせて魚を獲ることも許されていたとはいえ、足首に嵌められた鉄輪と鎖が痛々しい・・・。今では動物愛護の盛んなイギリスですが、中世は全く違う状況だった事でしょう。
他にもキリンやライオンやゾウなど、合計13体の作品がロンドン塔に展示されているケンドラ・ヘイスト。ロンドン塔のほうは2021年までの展示となっていますが、ウォータールー駅のゾウは今のところ無期限。ロンドンご滞在中に、ぜひ会ってあげて下さいね。
ケンドラ・ヘイスト公式ウェブサイト:https://www.kendrahaste.co.uk/
筆者
イギリス特派員
小野雅子
在英30年を過ぎました。初めてイギリスへいらっしゃる方にも分かりやすいロンドン観光&文化情報を中心に、イギリス各地やヨーロッパの情報もご案内いたします!
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