KRN(クルン)~週末の登山~

公開日 : 2015年09月03日
最終更新 :

先日クルン(Krn)という山に登ってきました。

前のブログでも書いた通り、スロヴェニア人は山登りが大好きです。この日は久しぶりに晴天でしたので張り切って、朝5時に起きで行ってきました。

クルンはスロヴェニアの北西に位置している、標高2244mの山です。トルミン(Tolmin)やボヴェッツ(Bovec)の近くにあります。11通りの道がある中、私は行き(登り)はトルミンという街の近くにあるKoča na planini Kuhinjaという道を選択し、帰り(下り)はボヴェッツの近くのPlanina Kuhinja を選択しました。

Image 1.jpg

観て下さい。大草原からスタートしました。そこいら辺に牛が沢山いるんです。牛ってよくみるととても可愛い顔をしています。

Image.jpg

この道は終始右左にうねった道のりです。しかも陰がないので太陽を浴びっぱなしの道でした。三分の一のところまで緑が有りましたが、半分からは石の道。とにかく動物の糞が多いので少し注意が必要です。

途中で一休みしつつ、絶景を楽しみます。

Image 3.jpg

ここからは私、本当に必死で写真を撮るところでは有りませんでしたし、自然を楽しむ余裕もなく必死で山小屋(Koča:スロヴェニア語でコチャといいます)を目指してました。

Image 2.jpg

普通は3時間程かかるそうですが、結局私は2時間半で山小屋につきました。山小屋は結構賑わっていました。中年層が沢山いましたね。グループで参加している人が多かったです。

ヨータを食べて、1時間近く休んだ後頂上へ向けてもう一踏ん張り。

Image 8.jpg

この穴で第一次世界大戦の時にスロヴェニア兵が(当時はユーゴスラヴィアでしたが)身を隠していたそうです。しかし、一体ここでどの様に冬をしのいだのか。しかも2000mもする山の上で戦っていたなんて。中に入ろうとしましたが、とても深く、暗くて危険でした。色々な厳しさをヒシヒシと感じます。穴を後にして、頂上まで歩きました。

この景色を見て下さい。圧巻です。すごい迫力でただただ自然の美しさに圧倒されてしまいました。

Image 5.jpg

上の写真の右端の山はスロヴェニア一高い山、トリグラウです。

Image 7.jpg

帰りはクルン湖を通って下りました。帰りの道も素晴らしく奇麗です。

Image 6.jpg

クルン湖は長さ400m、深さ17mの湖。このブルーの透き通った水。アドリア海のように奇麗です。

Image 9.jpg

これは毎年の4月の積雪量を表したタワーですね。なんと最高は2009年。3m近く雪が積もったそうです。その年によってずいぶん差が有りますね。

Image 10.jpg

この登山では、合計7時間半も歩きました。登りも下りもそれなりに辛かったです。最後は膝が笑っている状態になってしまいました。皆さんにもスロヴェニアの山を安全に楽しんでもらうために、山登りについての注意点をいくつか上げたいと思います。

1. 水分補給

登山中の水分補給は絶対です。この様に高めの山を登る場合は上り下りも含めて最低2Lは必要かと思われます。飲み方もがぶ飲みじゃなくてこまめに飲む事が大事です。また、甘めの水よりも普通の水を用意していった方が良いと思います。エネルギー補給も必要ですが、それは登山以前にしておくと良いのではと思います。どうしても食べたい場合はバナナなどの消化吸収が良い物が良いかなと思います。

2. UVカット

山の日差しは地上の2倍程と言われています。いくら高いところが涼しくとも、曇りだったとしても日焼け止めをぬらないと肌が一気に赤く晴れ上がってしまいます。脚はあまり暑さを感じないかもしれませんが、山を下る頃には赤く腫れてしまう事もしばしばです。途中で塗り直して、特に顔、首、腕はきちんと塗っていきましょう。また日差しをずーっと浴びる事で頭がぼーっとするかもしれないので、心配な方は帽子(つばがついてるもの)を着用する事もいいですね。

3. 靴

この様な山では靴も大事です。ちゃんとしたトレッキングシューズを用意して下さい。道中の石は鋭い事もありますし、登る時はそうでもないのですが、下る時は疲れもあって足首をひねってしまう事もありますので、様々な危険から足をしっかり守ることが大事です。厚めでくるぶしを覆う長さの靴下も忘れずに。登山中靴ずれを起こしたら大変なので、きちんとはきならす事も大切です。

4. 着替え

汗の量は半端ないので、しっかり着替えを準備しましょう。夏の登山でも念のための長袖は必須です。今回の登山で私は3枚のTシャツを使いました。

とにかくスロヴェニアの自然の美しさにはかないません。頂上に行くのはとっても辛いけど、歩を止めなければず頂上につく。ただやっとの思いをして頂上についても、その絶景を楽しめるのはほんの僅かな時間。辛いけど、下る時はあっという間です。なんだか登山は人生のようですね。

日本の皆さんにもぜひスロヴェニアの自然を味わってほしいです。しっかりと準備をして、是非スロヴェニアの雄大な自然を楽しんで下さい。

筆者

スロベニア特派員

菊地 由貴

スロベニアの首都リュブリャナで現地ガイド、通訳をしています。現地の魅力や生活の様子をお届けします。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。