エルサレム旧市街とモデルコース
イスラエルに住み始めて一年が過ぎた。
近頃は古都エルサレムに引っ越し、移民生活のショックも落ち着いてきたので、
感じること思うことを書いていこうと思う。
毎日現地で生活していると、イスラエルと日本の違いが様々に形を変え、表れてくる。
ふと目に留まる仕草や性格、季節や暦の感覚、習慣や様式などなど、
飽きないのはいいが、実際に生活しているとまことに驚かされる。
なにせ、すべてがまるきり正反対なのである。
外国に移り住んで、目新しく日本との違いにばかりに気が付くから軽々しく「正反対」などと書くのではない。
あたかも月と太陽のようにまるきり正反対なのだから、まったく仕方がない。
そんな中東の多民族国家イスラエルの古都エルサレムより、
観光情報と写真を中心に、日本のことやイスラエルのこと、
民族共生と中東和平について何か示唆に富んだ、
皆の晩御飯の話題になるようなトリビアを含められればいいなと考えている。
さて今回が初投稿なので、イスラエルの首都「聖都エルサレム」について簡単に紹介しようと思う。(*1)
旧市街と「岩のドーム」
「エルサレム旧市街」とモデルコース
エルサレム旧市街はユダヤ教・イスラム教・キリスト教の聖地である(1981年ヨルダン政権下で世界遺産登録)。
これら三つの宗教は総じて「アブラハムの宗教」と呼ばれることもある兄弟教であり、
彼らの史実と伝説の多くがここエルサレムを舞台としている。
ここでは毎日、ユダヤ教徒は栄光の第二神殿時代の名残である「嘆きの壁」で、
イスラム教徒は教祖ムハンマドが昇天した「岩のドーム」で、
キリスト教徒はイエスが処刑された後に復活したとされる「聖墳墓教会」で、
それぞれ過去に思いを馳せ、時に涙し、祈りを捧げている。
現地特派員としてのお勧めは、石造りの入り組んだ旧市街の裏路地も含めて「あてどもなく歩く」ことである。
各時代に破壊されては再建されてきた城壁に、
喧騒に混じる物売りの声と祈りの旋律に、
密集して暮らす人々の生活に、
その折り重なった歴史を垣間見ることができるからである。
しかし皆さんの限られた旅程ではそれも難しいかもしれないので、モデルコースを一つ挙げておく。
なるべく朝早く出て、「ヤッフォ門」から旧市街に入り、ダビデ通りを突っ切って「嘆きの壁」へ、
その足で壁の南側から「神殿の丘」に上がり、「岩のドーム」へ。
北側の門から出たらイエスが十字架を背負って歩いたとされる「ヴィア・ドロローサ」に出るので、
これに沿って「聖墳墓教会」へ向かう。
これで3つの宗教の聖地と賑わう旧市街の市を道すがら堪能できる。
混みあうダビデ通り
ヤッフォ門の周辺で昼食をとり、体力のある人はオリーブ山へ足を伸ばそう。
城塞都市でもあるエルサレムを東側から一望することができる。
ここから見る夕日は各別である、塔の多い旧市街のシルエットが斜陽によく映える。
歴史に興味のある人は「ダビデの塔」に行こう。
旧市街の歴史がよくまとめられている上に展望が良いので、
古都の歴史に思いを馳せるもよし、
朝通って来たルートを確認しながら屋根の下に在る今の人々の暮らしに思いを馳せるのもいい。
(*1)現在、西側諸国が考えるエルサレムは「旧市街を含む西エルサレム」であり、一般にイスラエルの首都として認識されている。
しかし国連やアラブ連合はエルサレムをイスラエルの首都と認めていない。
これはパレスチナが独立した場合、東エルサレムを首都とすることを宣言しているためである。
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