(安全情報)「セントラル占拠」について

公開日 : 2014年09月11日
最終更新 :
筆者 : 武田信晃

提示した下記リンクにあるように、香港にある日本総領事館からも注意喚起的なリリースが出されたセントラル占拠「占領中環 Occupy Central」についてです。

http://www.hk.emb-japan.go.jp/jp/docs/demo_announce_20140829.pdf

日本でもニュースとなりましたが、具体的には、香港の政治制度改革の1つとして普通選挙の実施についてのことです。2017年に実施される香港のトップを決める行政長官選での普通選挙実施を中国政府は認めました。ただ、1人1票は認めたのですが、被選挙権につきましては誰でも立候補できるのではなく、事実上、中国政府の共産党の息がかかった人しか立候補できない仕組みになることが発表されました。

これにより民主派は1国2制度という高度な自治が無視され、、民主派から擁立することは不可能になったことに憤慨しました。以前から「私たちが納得する選挙制度でなければセントラル占拠する」と言っていましたので、それが実行される公算が高くなっています。実施時期は中国の大型連休である10月頭になるだろうと見られています。

001 universal suffrage-1.jpg

警察から放水されることを想定した

民主派の訓練のようすを報じた新聞

観光客は「香港の民主派が日本で行っているような選挙制度を獲得するための中国共産党に対する戦いをしている」のだということを念頭に入れてください。一部には過激な民主派がいますので暴力もしくは警察沙汰になるのではという懸念がされています。ただ、今回においては、それまで一部の過激な行動が香港社会の非難の材料にもなってきたので彼らも大胆な行動に出にくくなっています。経済に大きな影響を与えるといわれていますが実際はいわれているほどではないでしょう。理由は、民主派は平和的に占拠することで警察が強権を振ってきたときに国際世論の非難の対象となることを知っていること、人間は適応能力があるので占拠される周辺の会社はすでに対策をしている企業も少なくないことなどが上げられます。鍵はどちらかというと、警察が強制排除の動きをするかどうかで、排除のやり方次第でどう混乱するかが決まってくると思います。

ですので、観光客はセントラル占拠がはじまりましたら現場近くにさえ行かなければいでしょう。そうすれば普通に香港で買い物を楽しめると思います。海外旅行の鉄則である治安の悪い地域に行かないということをしっかり守れば大丈夫かと思います。

筆者

香港特派員

武田信晃

新聞社や香港現地邦人紙の記者/編集者を経て、フリーランス・ライターとして活動中。スポーツ、グルメ、エンタメまで幅広くカバーしている。

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