考えさせられるBoat ride

公開日 : 2018年04月18日
最終更新 :
筆者 : Aloha Yuko

好天に恵まれた先週末、子連れでボートに乗ってきました。ボートに乗る時は準備の段階から、いつもワクワクします。

今回は一般公開された原油漏れの訓練を行っている現場の見学のためです。ホーマーの有力者、地元の新聞社、ラジオ局、地元高校生も数人そして一般人(私達)等色々なバックグラウンドの老若男女が揃ってホーマーのスピットにある港より、2つの船に分かれて海へ向かいます。

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アリェスカパイプライン(オイル)会社は1989ヴァルディーズ原油流出事故後の1991年よりこのような訓練を年に一回ずつ場所を変えて(ヴァルディーズ、コルドヴァ、コディアック、ウィッティア、スーワード)一般の方が見学できるように公開しています。今年はホーマーの番!

同社と契約しているボートは現在約450艘。ホーマーからは60艘あまり。原油が漏れた場合のシナリオを想定して、各地で漁船を訓練します。3日間のコースで、一日目はクラスルームにて、2日目からは海上でハンズオントレーニング、3日目は原油漏れのシミュレーションを沢山の船で一斉に港の周りのあちこちで行います。道理で、この先日は船がいっぱい港から出てるわけだ!!

5艘程の漁船がチームになって協力して訓練を行っています。

まず、ブーン(Boom)と呼ばれる四角いプラスチック状の浮きをつなげてできたオイルフェンスで原油をひとところに集めます。

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プリンス・ウィリアム湾より派遣されてきたスポークスパーソンのリサさんが、オレンジ色のブーン(boom)をデッキの皆さんに見せに来てくれました

次の写真は黄色のboomをつなげて作られたオイルフェンスを牽引する様子。

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オイルフェンスを牽引している船は速く動いてしまうと原油がフェンスの外に溢れ出してしまうので、ゆ~っくりしなければいけないそうです。これがまた難しいんだって。

そして集めた原油を特殊な柔らかいファイバーで作られたスキマー(skimmer)と言うもので吸引し小さなバージ(平底船)に詰め、その小さなバージが大きなバージまで原油を運ぶそうです。とても大掛かり!!

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インレットサンライズ号の右にある銀色の船が小さなバージ(barge)です。

けが人が出たときのためのレスキュー船や、遠くに停泊してある大きなバージなど、沢山の船が海上どこを見てもアチラコチラで訓練を行っておりました。

訓練をひとところ見終わった後、私達の乗ったレインボー号はホーマーからカチェマック湾を挟んだ向こう岸のピーターソンベイまで向かいました。

ここには、沢山の野鳥、野生のラッコが生息しており、オイスターファームもあります。ここでの原油汚染があった場合の計画もリサさんが説明してくれました。

写真中央の一番大きな岩の上に若い白頭鷲がいるの見えるでしょうか?

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1989年3月にあったヴァルディーズ原油漏れ事故直後には数え切れないほど沢山の野生動物が死亡しました。死亡した動物は証拠として冷凍保存してあるそうです。過去の過ちを繰り返さないために。。。そしてその当時の原油のすべてが除去されたわけでなく、プリンス・ウィリアム湾には未だに環境の一部として原油が底に存在しているそうです。

ピーターソンベイの後はGullアイランド(かもめ島)と呼ばれる野鳥の繁殖地へ船は向かいました。

ここへは海上タクシーなどで来れます。

ミツユビカモメ、ニシツノメドリ、ヒメウが春先には見られます。もちろん白頭鷲も。

岩の上にいるのがミツユビカモメ、島の向こう側の海上に浮いている灰色のグループも全部野鳥なんですよ〜。

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この様に美しい自然と澄んだ海、そしてや野生動物を危険に晒せている私達人間って一体?と高校生のように心が煮えたぎりました。私には何ができるか、とまたもう一度考えさせられました。

次回にホーマーでの訓練を一般に公開されるのは2025年。

後日子どもたちに感想を聞きましたところ、「boomとskimmerが何か分かった」「漁船がいっぱいだった」との感想。

実際に間近に見学できて良かったです。

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筆者

ハワイ特派員

Aloha Yuko

ハワイ在住約20年。ハワイ島の魅力を紹介できたら嬉しいです。

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