ベトナムの愉快なお年玉の習慣。華麗なお年玉袋が行き交うシーズン☆2018年テト便り☆

公開日 : 2018年02月12日
最終更新 :
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日本と同様、ベトナムのお正月にもお年玉があります。しかし、「仕事の上司が部下に配る習慣」まであることを知ったときは、思わずひっくり返ってしまいました。ベトナムのお正月はなかなか愉快です。

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この季節、スーパーやハンマー通りのテト・マーケットに出かけると、山ほどのお年玉袋が並びます。確かに子供向けのデザインばかりじゃないですね。大人にも対応する袋と納得します。赤、黄、ゴールドの鮮やかな色に「福」の文字。おめでたさがとても素直です。

お年玉を「職場の上司から部下に渡す」習慣というのは一例です。実際には「目上の者が下のものに」「年上が年下に」「より裕福な者が自分より裕福でない者に」など、おめでたい時期ならではの施しの習慣、助け合いの精神がそこには流れており、日頃お世話になっている人や知り合いで、自分より若かったり、立場が下であれば配るとのことです。年下の友人、家のお手伝いさんやドライバーがいる人はその人たちへなど、会社の部下以外でも、様々な人がお年玉の対象になります。

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その時に大切なのはこの5万ドン(約250円)の新券です。5万ドン札は赤く、ベトナムでは縁起の良い色と考えられています。また、新券で渡すのが良いとされるので、銀行の窓口へ行き新券を大量に用意する必要もあり、ちょっとした気遣いも必要です。

額の相場は物価の変化が著しいので難しい所です。しかし日本のように大きな額である必要はないようです。2015年「Thanhnien News」の記事によると、近所に住む程度の気軽なお付き合いの子供には1万ドン~2万ドン(約50円~100円)、10歳以下なら2万ドン程度、それ以上であれば5万ドン程度。親族や友人の子供であれば5万ドン~10万ドン(約250円~500円)が最近の傾向と書かれていますが、その後3年で相場も2倍程度になっているようです。

大人はどうでしょう。特に職場スタッフについては、各職場ならではのルールや相場があるかもしれないので、周りに相談しそれに合わせるのが無難です。いずれにしても大切なのは「気持ち」なのだとか。

気持ち。

これが一番悩ましいですね。

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これらのお年玉袋は、意外としっかりとした紙で作られていて私はとても気に入っています。いかにもおめでたい、東洋的な華麗さを極めた古風な配色やデザインが私のお気に入りです。6枚入りで10000ドン(50円)程度で購入できるのでお土産にもおすすめです。来年のお正月はベトナムのお年玉袋で!

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一方、私のような"年寄り"がいただくのは「贈り物」です。

今年はベトナムのお正月料理バインチュンやベトナムのハム、そしてお茶やお菓子など、伝統的な物をたくさんをいただきました。

バインチュンは、餅米の中に豚肉や緑豆マメのペーストを入れ、ベトナム独特の葉でしっかりと巻き、8時間以上かけて茹でたもの。ベトナムのお正月に欠かせない伝統の家庭料理です。大きなサイズですが、ベトナム版ちまきという感じの料理で、魚醤などを付けていただきます。

以前、油多めの熱い鉄板にバインチュンを押し付けるようにつぶしながら焼き、表面をパリパリにしたものをチリソースをつけて食べたことがあります。それが美味しかったと報告すると「若くないのにそんなものを食べれば太る」と、ベトナム人に叱られました。「油で焼いたりしたものはダメ。健康に悪い。バインチュンは普通に切って、魚醤で食べるのが一番いい」と。

若くないのに・・・・・容赦なくバッサリやってくれるハノイの人が好きです。(涙)

伝統的な物、ローカルなものが好きな私の好みを考えてくださった心遣いがうれしいですね。贈り主を思い、ゆっくりお茶やお茶菓子と共にテトを"味わおう"と思います。

感謝。

Photos & writing © Midori Nakagawa

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