スコットランドの朝食ポリッジ

公開日 : 2010年10月21日
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スコットランドで好んで食べられている朝食にポリッジ(porridge)と呼ばれるオーツ麦(oat)のおかゆがあります。オーツ麦は、日本では、オート麦、カラス麦、燕麦とか、オートミールとも呼ばれています。イギリスでは気候が寒冷なために小麦の育成が難しいスコットランドで多く栽培されているのですが、イギリス国内のスーパーや健康食品店で手軽に手に入ります。シリアルやお菓子の材料としても利用されています。

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このオーツ麦に関して、イギリス国内では宿敵であるイングランドとスコットランドおたがいを称するこんな逸話が残されています。英語辞典の編集やシェイクスピアの研究で知られるイングランドの文学者サミュエル・ジョンソン(Samuel Johnson)が言ったことには、「イングランドではオーツ麦と言えば馬の飼料にすぎないが、スコットランドではオーツ麦が人を養う糧となっている」。それに抗弁したスコットランド人に関しては諸説あるようですが、一般的に言われているのは、伝記作家として名高かった法律家ジェイムズ・ボズウェル(James Boswel)。「ごもっとも。だから、イングランドでは馬が優秀で、スコットランドでは人が秀でているのです」。

実際、オーツ麦はたんぱく質、カルシウム、鉄分を多く含み、食物繊維にも富んでいるので、現在では、イングランドでも優良な健康食品と見なされています。糖質の吸収を抑制し、肥満、糖尿病の予防、コレステロール値を下げる働きもあるほか、大腸がんの予防にも有効。お通じを良くするのにも絶大な効果を発揮します。実は、コレステロール値が高いわたしの夫も、半年ほど前から、毎朝、オーツ麦のおかゆポリッジを食べています。ポリッジにはミルクを注いで食べるので、乳製品が苦手はわたしは食べませんが、スコットランドびいきだったビクトリア女王の好物でもあったのだそうです。

電子レンジを使えば、朝の忙しい時間にも、ボウルひとつで手間要らすでポリッジを作ることができます。以下、スコットランドの伝統朝食ポリッジの簡単レシピをご紹介します。

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1.電子レンジで使用OKのボウルに、70gのオーツを入れ、、塩少々と1カップ半ほどの水を注ぐ(このときお好みでバターを加えるとコクがでます)。

2.電子レンジで調理しながら、時々取り出してかき混ぜます。調理時間は、わが家の1000Wの電子レンジで3分間(なのでW数が低い電子レンジの場合はもう少し長時間)。オーツ麦がまんべんなく柔らかくなっていたらOK、なっていなかったら、柔らかくなるまで再び電子レンジへ。

3.食べる前に、お好みの量のミルクを注いで召し上がれ。

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ところで、サミュエル・ジョンソンは、イングランドではオーツ麦は馬のエサだと言いましたが、実は、イングランドでも、オーツ麦のおかゆポリッジは食べられています。ただ、スコットランドのポリッジとはちょっとだけ異なる点があります。スコットランドのポリッジは塩味で、ニシンの燻製などといっしょに食べられることもあるのに対し、イングランドのポリッジは甘い味つけになっているのです。わが家では、スコットランド人の夫は塩味のポリッジを、イングランド生まれの息子はもっぱら砂糖やハチミツを加えた甘いポリッジを食べます。さて、あなたはどちらがお好み?

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