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イタリアイタリア/ジェノバ特派員ブログ

壮麗で個性豊かなジェノバの教会

カテゴリー:文化・芸術・美術 / 見所・観光・定番スポット 投稿日:2018年6月10日

今回の記事ではジェノバの教会をいくつかご紹介したいと思います。
ジェノバには「ドゥオーモ」と呼ばれるメインの教会、サン・ロレンツォ大聖堂がありますが、様々な教会が旧市街だけでもかなりの数建っていて、またそのどれもが他の都市の中心的教会に比べると比較的小規模ながら、絢爛豪華な内装をもっています。今回はそのいくつかをピックアップしてご紹介します。




市内最大の教会、サンティッシマ・アヌンツィアータ聖堂

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(圧巻の豪華さ!)
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(広場より)


ジェノバ・ピアッツァ・プリンチペ駅から旧市街へ向かう途中、広場の中央にそびえる教会です。建物の建設が始まったのは16世紀ですが、ファサードは19世紀にリフォームされた新古典様式で、ローマのパンテオンを思わせる外観です。坂の入り口に立っているので大きな階段を上って入ります。
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(きらびやかな天井装飾)


中に入ると豪華な内装に圧倒されます。第二次大戦中の空襲により一部は失われていますが、天井を見上げると見事な黄金の装飾やフレスコ画が見られます。この内装はバロック全盛期のもので、17世紀前半にタッデオ・カルローネらの手により完成されました。
この教会はフランチェスコ会の運営でしたが、宗教改革後のトレント公会議により新たな教会建築の指針が出され、これに準拠するために大幅な改築が必要となりました。建設や装飾にかかる費用を負担したのはこの周辺の不動産を持っていた有力貴族のロメリーニ家です。ロメリーニ家は費用を出す代わりに「布教保護権」(教会の所有権と宗教関係の要職への推薦権、教会の活動を支援する義務)を得、ここを一族の礼拝堂とました。

Basilica della Santissima Annunziata del Vastato
Piazza della Nunziata, 4, 16124 Genova
一般開放:月―金7.30 - 20.00
     土7.30 - 13.00 / 15.00 - 20.30
     日8.30 - 12.30 / 15.00 - 20.00
礼拝:火―金8.30
   土19.30
   日11.30





ジェノバで最も古い地区に建つ、サンタ・マリア・ディ・カステッロ教会

ジェノバ共和国として繁栄を迎えるずっと前、ジェノバで最初に集落ができたのがこの教会のある丘の周辺でした。記録によれば、658年にロンゴバルド人によりこの場所に礼拝堂がつくられたそうです。建物は12世紀のもので、15~16世紀に拡張・改修が行われました。
サンティッシマ・アヌンツィアータ教会など市内の金ピカな教会と比べるととても質素で落ち着いた雰囲気です。中央の柱は3世紀のローマ時代のものを再利用したものだそう。祭壇の前には「ムーア人のキリスト」と言われる木製のキリスト像があります。14世紀につくられたもので、茶色い木の色からムーア人(アフリカ北部の人々)を連想させるためこう呼ばれたそうです。珍しいことに、本物はキリストの特徴である髪も髭もありません。(「なんだかイメージと違う...」との信者の声から髪と髭のあるレプリカがつくられたとか)
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(修道院部分に残るフレスコ画)


教会は旧修道院と隣接していて、古代の遺物や中世、初期ルネサンスの美術品が展示されています。係員のおじさんが内部を案内してくれました。その中で、15世紀に描かれた一枚の板絵にとても美しい女性が描かれています。この人物、実はボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」「春」などでモデルとなったとされるシモネッタ・ヴェスプッチなのだそう。実は、彼女はジェノバ出身なのです。

Convento di Santa Maria di Castello
Salita Santa Maria di Castello, 15, 16123 Genova
一般開放:毎日10.00-13.00/15.00-18.00





カトリック教会なのに商業や金融に密着?サン・ピエトロ・イン・バンキ教会

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(教会の下に、お店が...?)


ジェノバで最もユニークな教会と言えばここでしょう。この教会は旧港から市内に入る途中のバンキ広場にあります。「バンキ(商品の陳列台、または銀行)」という名前の通り、ここは元々ジェノバの商業中心地で、現在は催事場になっているロッジア・デッラ・メルカンツィア(商売のロッジア)では商人や銀行家たちが集い、売買や送金などの取引を行っていました。
中世にはこの場所に教会が建っていたのですが、14世紀に教皇派と皇帝派の紛争によって焼け落ち、貴族のロメリーニ家がその上に屋敷を建ててしまっていました。
16世紀後半にようやく教会が再建されますが、その建設費用をどうするのか、という問題になります。この教会の建設は公共事業でしたが、貴族たちの圧倒的な裕福さとは対照的に共和国の国庫にはあまりお金がなかったのです。そこで、教会の下のスペースを店舗として貸出し、その家賃収入から建設費用を出そうということになりました。こうして1階に店舗、2階に教会というユニークな構造となったのです。
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(上品で繊細な大理石の内装)


内部は上品な白い大理石の彫刻で彩られています。小さな教会ではありますが、細やかな装飾が素晴らしいです。1階からの家賃収入はとても良好だったのでしょう。

Chiesa di San Pietro in Banchi
Piazza Banchi, 16123, Genova
一般開放:毎日10.00-19.00
礼拝:火17.30


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浅井まき

イタリア・ジェノバ特派員の浅井まきが現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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名前:浅井まき

浅井まき

大学卒業後、社会人を経て2015年渡伊。イタリア北部リグーリア州の港町ジェノヴァに住み始めてはや3年目。現在はジェノヴァ大学の大学院史学研究科に在籍。日本と大きく異なるイタリアでの大学院生生活に四苦八苦しつつ、17~18世紀のジェノヴァ共和国に関する研究を行っている。自分の専門以外にも西洋史全般、美術、現代音楽、グルメ、スポーツなどへの関心大。晴れた休日には近郊へ写真撮影に行くのが楽しみ。 DISQUS ID '@disqus_n3hiU5o4o9

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