世界遺産チンクエ・テッレは"インスタ映え"最高!

公開日 : 2018年05月13日
最終更新 :
筆者 : 浅井まき

こんにちは!今回の記事では、少しジェノバを離れて"リヴィエラ"と呼ばれるリグーリア州沿岸部へ足をのばしてみましょう。東西に細長いリグーリア州の海岸沿いにはたくさんの小都市やリゾート地がありますが、今回ご紹介するのは、なかでも最も有名で人気の高い、世界遺産のチンクエ・テッレです。

ジェノバからチンクエ・テッレへ

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(チンクエ・テッレ最東端のリオマッジョーレ)

ジェノバからチンクエ・テッレに向かうには、ローカル線または特急Intercityに乗って東部ラ・スペツィア方面へ向かいます。ルートによって異なりますが、大体2時間弱、片道10~20ユーロ程度です。

リグーリア州は海と山脈に挟まれたとても狭い土地で、約60%が山なのだそう。"5つの土地"を表すチンクエ・テッレはその名の通りラ・スペツィア近郊の5つの小さな村を総称した名前です。今でこそトンネルだらけの道路や線路でつながっていますが、本来は船でないと行き来ができないような場所でした。

"5つの土地"チンクエ・テッレ

5つの村とは、西からモンテロッソ・アル・マーレ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオマッジョーレのこと。集落の歴史は古く、11世紀頃に遡るのですが、当初はジェノバへ往来する船への海賊行為をして生計を立てていたのだとか。船から海岸を眺めていると、この近辺の沿岸部には海賊がアジトにするのにちょうどいいような穴がたくさんあるのが見られます。ジェノバによって統治されるようになると、これらの集落は要塞都市として整備されます。ピサと対立していた中世のジェノバ共和国にとってこの地域の監視は防衛の観点からとても重要でした。チンクエ・テッレの先にあるポルトヴェーネレには中世の城塞(後世に拡張されている)が残っています。

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(チンクエ・テッレ付近の海岸部を海から見ると、本当に急な崖ばかりです。写真の奥にポルトヴェーネレの城壁が見えます)

とにかく面積が狭く、海からすぐにごつごつとした岩壁がそびえているような地域ですから、当然土地は痩せていて作物が育ちません。しかし、住民たちは長い年月をかけて斜面に石垣の段々畑をつくり、知恵を絞って効率的な農業を行ってきました。ここで育つブドウは実をつける数が少ない分、味が凝縮していて、これを使ったワインは至高の味わいになるのだそうです。

チンクエ・テッレをめぐる移動手段は?

そんなチンクエ・テッレの集落間の移動手段は電車または船になります。

最もお得で早い移動手段は電車です。レヴァント~ラ・スペツィア間でチンクエ・テッレ・エクスプレスという路線が走っていて、日中は1時間に3~4本と本数も多く、料金も安いです。

Cinque Terre Treno MS Card(大人1日券:16ユーロ)を利用すれば、この区間を終日自由に乗り降りできます。このカードは各観光案内所またはオンライン(https://card.parconazionale5terre.it/en)で購入することができます。(チンクエ・テッレの観光案内所は混雑が予想されますので、オンラインで購入するか、現地であればレヴァントやラ・スペツィアなどの案内所を利用するのがよいと思われます)

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(船からリオマッジョーレを望む。とにかく全てが色鮮やかです)

一方、少し値段が高めなのと、本数が少ないという難点はありますが、晴れていれば特に素晴らしい景色を楽しむことができるのが船です。レヴァントからポルトヴェーネレを1時間に1本程度、観光船が往復しています。海の上からゆったりと眺める景色はまさに絶景!チンクエ・テッレの街並みだけでなく、沿岸部の雄大な岩壁も一見の価値はあります。また、隣町のポルトヴェーネレ(チンクエ・テッレと共に世界遺産に登録されたとても美しい街です。また別途ご紹介したいと思います)に行く場合はこの船を利用するのが便利です。

航路、時期によって運賃は異なりますが、チンクエ・テッレ~ポルトヴェーネレの1日乗船券は大人33ユーロ、チンクエ・テッレのみであれば25ユーロです(2018年夏季現在)。乗船券は各船着場で購入できます(昼休みがあるのでご注意ください!)。

一方、マナローラとリオマッジョーレを結ぶ"愛の小路"と呼ばれる遊歩道がありますが、2012年に崩落事故があり現在も一部しか通行できません(有料)。

フォトジェニックな集落の街並み

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(ヴェルナッツァの船着き場)

急斜面に張り付くようにそびえる集落の家々はとてもカラフル。遠く海の上からでも自分の家がわかるように塗られたのだそうです。そして海は青く澄んでいて非常に綺麗です。鮮やかな青い海に、カラフルな街並みはまさに"インスタ映え"しますよね。

ただし、世界的に有名な観光地ながらとにかく土地が狭いため、冬ならまだしも、夏季にはかなり混雑します。「人に揉まれて何だかわからずに帰ってきてしまった」という感想も時折聞き及びます...。チンクエ・テッレの他にも、実はリグーリアの沿岸部には魅力的な街がありますので、今後の記事で逐次ご紹介していきたいと思います。ぜひご参考になさってくださいね。

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