この字 何て字？
日本語教室の生徒さんたちから、漢字をいくつか教えてほしいといわれました。
初心者コースなので、テキストはすべてひらがな（またはカタカナ）表記で、漢字の学習に入るのは、もうしばらく先なのですが、やはり「これぞ日本語の醍醐味っ！」ともいえる漢字学習には大いに惹かれるのでしょう。
そこで、小学１年生で習う漢字の中から、やさしい象形文字を選んで板書してみました。
山、田、人、木 ..... それぞれの字の元になった絵を黒板に描きながら説明すると、みんな「おぉ〜っ！」、「ほぉ〜っ！」と感嘆の声をあげながら、懸命にノートに書き写しています。
次に、「口」という文字にきたところで、「これはどんな意味の文字だと思いますか？」と質問してみましたら、ふた通りの答えが返ってきました。
「『カタカナのロ（ろ）』の漢字版！」
「パソコンの画面！」（爆）
おいおい、「口」の字の原型はPCモニターかい？ま、そう見えないこともないですが。
ドイツでも大人気のプレステが生まれた国だもの、「パソコンのモニター」という漢字があって当然！と思われているのかもしれません（苦笑）。「口」は「くち」です、と種明かしすると、「なるほどぉ〜！」よりも、むしろ「なぁ〜んだ！」という落胆？に近い声。
さて、次に板書した漢字は「川」。
先ほどと同じ質問を、生徒に投げかけてみたことろ ...... しばしの沈黙の後、ひとりの生徒が自信なさげに手を上げました。
「高速....道路、ですかね？」
座布団一枚っ！これには思わず「大正解〜！」と言いそうになりました。
川の字の一番左のカーブしているところは、高速出入り口の加速（減速）車線だそう。まさに子ども並みの想像力豊かさです（笑
「う〜ん、『高速道路』というアイデアも捨てがたいんだけど、実は、これは液体状のものを意味します。」とヒントを出しましたら、ほどなく、「かわ」という正解が飛び出しました。
ところで、高速道路。
「高速」とは高い速度のことで、「道路」は道のことだと説明しましたら、ドイツ人男性の生徒が、すかさず声をあげました。
「速度制限が無いドイツの高速道路だけが、正真正銘、高速道路と呼べるんですよ！」と。
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