日本にはないオランダの環境問題への取り組み方。

公開日 : 2018年03月16日
最終更新 :

こんにちは!

先週、世界一周クルージング旅行から帰って来た旦那の叔父叔母に再会しました。(どんだけ金持ちなんだ!?)そのクルージングで日本の東京、大阪、福岡に立ち寄ったそうです。

その二人の日本についての感想は・・・キレイ!!!!清潔!!!!!マナーが良い!!聞いているだけで照れてしまいますが、お世辞ではないと思います。私がオランダに来てもうすぐ11年、初めて町に出た時の感想は、汚い、マナーが悪い!と、その真逆だったからです。

少なくとも日本ではポイ捨てをする人をあまり見かけなくなりました。(まあ例外はあるかもしれませんが・・・。)しかし、オランダではペットボトルや空き缶のポイ捨ての年間回収数は約1億個と言われています。日本の九州くらいの大きさしかない国なのにこの数、(ネガティブな意味での)すっげ~~~!の一言です。

この状況に対応するためにオランダではかなり前から1,5lのペットボトル、及びビール瓶において、ある環境対策をしております。

これがスーパーで買える普通の1,5lのペットボトルの空。

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このラベルの部分をよく見ると<statiegeldfles>と書いているのが見えるでしょうか??

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実はこれ、ペットボトルの回収に協力すると一本当たり25セント(約30円)が返金されるのです。

例えば中味がまだ入った<statiegeldfles(スターチヒェルドフレス)>のラベル付きのジュースをスーパーで買います。このジュースの値段を1ユーロ50セントとすると、支払いの時には自動的に1ユーロ75セントを支払うということになります。そして、飲み終わった後、またスーパーに持ってきます。オランダのすべてのスーパーにはこのような機械があります。

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ここにペットボトル、ビール瓶を横向きに倒して挿入します。(ペットボトルについては蓋も付いてないと受け付けないという機械もありますのでご注意ください。)

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ビールケースごと購入して、ビールケース一杯のビール瓶を持ってきた方は、その下にあるこちらからケースごと入れてください。

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挿入すると、機械の画面に<€ 0,25>と出てきます。何本かまとめて持ってきた方はこの値段が増えていきます。大抵の場合、1,5lのペットボトル1本→25セント、ビール瓶一本→10セントとなっています。

すべて挿入し終わった後、画面の横にある緑のボタンを押すと、スーパーのレシートのような紙が出てきます。そこには値段とバーコードが記載されています。

そのスーパーで何かを買って支払いの際にその紙を渡すと、その値段分が割引されます!!こりゃ~オランダ人が好きそうなサービスだっ!安くなるもんね!もしスーパーで何も買うものがないという場合はそのスーパーのサービスカウンターに持っていくと現金で支払ってくれます!この制度は観光客の方に対しても当然適用なので、観光の合間にたまたまこのような物を購入された方はぜひご利用ください。

ただ、この制度は現在のところ1,5lのペットボトルとビール瓶にしかついておりません。ということは、その他のサイズのペットボトルや空き缶には<Statiegeldfles>のラベルが付いていないのです。

よって現在オランダ政府はこれらのポイ捨てを防ぐために、すべてのサイズのペットボトル、空き缶にこの制度を適用させようとしています。ごみのポイ捨てのせいで自然環境や野生動物の身が危険にさらされ始めたからです。この制度が適用されると70%のゴミが町中、自然の中から消えるだろうと言われています。個人的には<お金の価値があるゴミは捨てないけど、価値ナシならポイ捨てする。>という精神が理解できません。ちゃんとゴミ箱に捨てるのがマナーじゃないのと言いたくなります。

政府と企業側との協議の結果、リサイクル作業の混乱化という理由で、今すぐの適用とはなりませんでした。3年間企業側に猶予を与え、独自の解決法が見つからなければ2021年からすべてのペットボトルにこの制度が適用されることになります。(空き缶への適用にはならず・・・。残念!)

でも日本ではこの制度ありませんよね??なのにどうしてポイ捨てがオランダに比べて少ないのでしょう・・・。このような基本的なマナーに対してもお金を結び付けないと改善しないという慣習がちょっと情けないと思います。今回はオランダ慣習のちょっとネガティブな面をお伝えしました...。(え、<今回も>じゃなくて?!いえ、オランダは良い国です!(笑))

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