オランダで今回が最後??オランダ国民投票と、同時に行われる影が薄い市町村議員選挙!

公開日 : 2018年03月14日
最終更新 :

こんにちは!!!ひっさしぶりに太陽が顔を出しました!!実は先週は暖かなお天気が続いていたオランダ。(と言っても10℃から15℃の間。)屋外ではみんなが<春が来るかぁ~!?>とワクワクしていたのですが、さっすがオランダ、見事に期待を裏切ってくれます!今週末は雪が降る可能性あり、来週は寒いよと天気予報士が申しております。もうテレビに向かって<この裏切り者がぁ~!>とポップコーンを投げつけたくなります。いえ、彼は真面目に仕事をしているだけなので私にポップコーンを投げつけられても困ると思います。

観光客の方はくれぐれも油断をなさらず、暖かい服装を心掛け下さい。暖かいからといって薄着をすると風のせいで結構肌寒かったりしますよ。

さて、来る3月21日にオランダの各市町村議員選挙、また同時に国民投票があります。今回はそのことについてご紹介したいと思います。

オランダの選挙運動と日本の選挙運動の大きな違いと言えばこれ→ 選挙カーがない!!!!よって、まだ当選してもないのに<ありがとうございます!>を連発する候補者もなし!!

選挙の時期になるとこのように市役所から選挙新聞なるものが各家庭に配られます。

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この新聞には各政党の候補者の写真や公約など選挙に関する様々な情報が入っています。政党別にも公約を書いた宣伝チラシが各家庭の郵便受けに入れられます。そして選挙カードを一緒に送られてくるこの候補者名リスト。

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これで事前に名前と政党を確認することができます。

またこのリストの裏側には、どこで投票することが出来るかという投票所のアドレスが紹介されています。基本的に小学校や公民館など公的な場所で、それは日本とよく似ていると思います。この中には老人ホームなども投票場所として指定されていました。遠くまで投票に行くことが出来ない年配の方への配慮かと思います。まあ、年配の方の方が投票率は高いですからね・・・。

またこのように、各政党が一般市民の質問に答える企画も。

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その中で<どうして投票することが大事なの?>という質問に対して、例えば<D66> という政党は<投票権は民主主義の基本!!だからしっかりと使わなくっちゃ!すべての住民が市町村の決定に関与する権利がある。>と答えています。この政党についてはまた後述しますので、ここで彼らが言ったことをよく覚えておいてくださいね!ちなみに私はオランダ国籍を取得していないため、市町村選挙は投票権がありますが国政選挙の投票権はありません。

実は今回の市町村選挙で注目されているのは、誰が新しい(もしくは継続の)市町村議員になるかだけではありません。悲しいかな、議員に誰がなっても住民の意見を反映することなど滅多にないわ!というまあどこの国にもある住民の<諦め>が見て取れます。

実はこの選挙と同時に<国家権力による盗聴や捜査権力の強化>についての国民投票が行われるのです。

これがその記事。

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実はオランダ国内では、これが最後の国民投票になるかもしれないと言われています。そのことが注目されているのです。

このオランダ国民投票、前回、ウクライナとの関わり方についての国民投票について二回にわたってご紹介したことがあります。(そのブログはこちら→https://tokuhain.arukikata.co.jp/eindhoven/2016/04/_referendum.html

https://tokuhain.arukikata.co.jp/eindhoven/2016/04/post_39.html)

それよりも昔には、EU憲法の草案について、オランダが他のヨーロッパの国々に先駆けて国民投票を行い、国の結果として<反対>の立場を明確にしました。このEU憲法は可決されれば各国独自の憲法より優先される憲法となる予定だったので、このオランダの決断は当時世界的なニュースになりましたし、それに続いてフランス国民投票でも反対の結果が出ました。この国民投票はそう頻繁には行われないのですが、国家制度に関わる重大な案件の場合のみに行われます。国民が国会議員を通さず、直接意見を示すことが出来る制度であり、個人的には素晴らしいと思います。これこそ民主主義の根幹!!!!

ところがこの<国民投票>制度をオランダ政府は廃止したいらしいのです。ここ10年の間に2度ほどこの国民投票が行われたのですが、どちらの結果も政治家達の考えを支持するものではなく、逆に反対の立場を国民が選択しました。しかしどちらもその結果に対して具体的な解決案は示されることなく、あいまいなまま今に至っています。よって政治家達、特に与党にとって国民投票とは<自分達の邪魔をする制度。こんな面倒なもの無くしちゃえ!>と思っているのではと大々的に報道されています。

ここで前述した<D66>という政党がまた登場します。実はこの政党、現在与党の一つの政党です。そう、<国民投票!?いらんわ、そんなもの!>と言っている与党達の一つです‥‥。え、え、え??完全に前述したコメントと矛盾してます。<投票権は民主主義の基本>じゃなかったの??それとも、市町村選挙の投票権は民主主義の基本だけど、国政にはこの投票権は使用不可ってこと??いや~、野党だった政党が与党になったとたん、以前とは完全に逆の立場をとったり逆のことを公言したりすることには悲しいけど慣れていますが、ここまで逆となるとオランダメディアが騒ぎたくなるのも分かります。せめて、テレビ取材のインタビューの際には、映画の字幕みたいに<ただいま与党に所属しておりますので、本音を言えません。>という注意書きをしていただきたいと思います!

さあ、今回の市町村議員選挙、また最後かもしれない国民投票、結果はどうなるのでしょうか!?国民投票結果が、今度こそ政府の意に沿うものであったならこの制度の廃止という案はなくなるのでしょうか??

とりあえず、私もしっかり事前に準備体操をして、ストレッチをして、発声運動をして候補者を選んできます!(笑)   

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