オランダの国家的大イベント、シンタクラース!

公開日 : 2015年12月02日
最終更新 :

いよいよ2015年の最終月に突入しました!皆様いかがお過ごしでしょうか?

先日、7歳になる息子が<もう12月かぁ~、年月が流れるのは早いねぇ~。。。>とオランダ語訛りの日本語でしみじみ申しておりました。お前、いくつだっ!

本日は12月のオランダでのビックイベントについてご紹介します!何といってもこれ、<シンタクラース>!!これは、世界で知られているサンタクロースの元になった人物。オランダ語で<Sinterklaas>といい、17世紀にアメリカに渡ったオランダ移民によってその文化がアメリカに伝わり、このオランダ語が訛って<サンタクロース>になったようです。このシンタクラースはスペインから蒸気船で11月中旬にオランダにやってきます。今年は11月14日にやってきました。彼の誕生日は12月5日。ということは、12月5日に子供達はクリスマスのようなたくさんのプレゼントをもらえるという最高の行事です。オランダではクリスマスはファミリーの日なのでプレゼントの準備ははあまりしません。プレゼント、イコール誕生日またはシンタクラースと考えてもらって大丈夫です。

実は、子供達へのプレゼントは12月5日だけでなく、シンタクラースがオランダに着いたその日から子供達が靴の中にシンタクラースへの手紙や、シンタクラースの馬である<アメリコ>のためにニンジンを入れてその靴をドアのところや、暖炉のところに置いておくと、朝になったらお菓子や素敵なプレゼントが入っているというものです。なので、私の子供は毎日、絵やら手紙やらニンジンを靴の中に入れてベッドへ向かいます。下の写真を見れば分かるように、うちの娘は、馬にあげるニンジンの数が多ければ多いほど大きなプレゼントがもらえると思っているみたいですがそうではありません(笑)。

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このシンタクラース、子供だけではなく、大人にもプレゼントを持ってきてくれるという何ともいい奴っ!このシンタクラースと一緒にやってくるのが<zwart piet ズワルトピット>。この人達は毎晩、子供達の靴の中に入れるプレゼント配りや、12月5日のプレゼント配り、またシンタクラースの身辺の世話などをするお助けマン!!

ですが、最近では、黒人に対する人種差別的な要素があるとしてこの時期になるといつも批判の対象になります。しかし、<ただの文化の一つだし、シンタクラースもズワルトピットの助けがあってこそ、子供達から慕われているんだからそのような議論に発展する必要はないんじゃない?>というのが一般的なオランダ人の意見です。しかし去年はそのような抗議運動に配慮してズワルトピットの肌の色を紫にしたり黄色にしたりしていましたが、子供達には<誰あれ?>と一蹴され、今年はまた黒に戻ってしまいました。<黒人の子供たちは完全には楽しめない!>という批判もありますが、いや、めちゃくちゃ楽しんでるよ!!!息子のクラスメートの黒人の子達、ズワルトピットが来るとめっちゃ喜んでるよ!!ということで、多文化のいいところ取りという日本文化で育った私には、難しいこと言わないで人生楽しもうぜ~!というのが結論です。

このシンタクラースがオランダに着く一週間前くらいからテレビで<Sinterklaas journaal シンタクラースジョナール>という、シンタクラースについての子供用ニュースが始まります。シンタクラースが今どのへんをやってきてるかとか、子供達へのプレゼントの準備の様子、プレゼント配りに問題発生!とかその他いろいろを映画のように紹介しています。そのサイトはこちら→http://sinterklaasjournaal.ntr.nl/#/home

11月14日にオランダに着いて、各都市には次の日(なので今年は15日)にやってきます。今年も私の町にもシンタクラースの行列がやってきました。その日は残念なながら雨プラス強風の日でしたが、子供達にとってはへっちゃら!雨に慣れているオランダ人、強いぜっ!まず、ズワルトピット達がやって来てきます。

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そしてシンタクラース登場!じゃじゃ~ん!

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ご、ご老公、雨風で御髪が乱れておりまするっ!でも一生懸命衣装着て手を振ってくれました。

ズワルトピットも教会の塔に上ってパフォーマンスを披露。

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いや、ズワルトピット、君メインじゃないからっ!

このように行列で来たあとも、時々週末にはサプライズで町中に現れることもあり、町の雰囲気を盛り上げてくれます!

そしてこれが典型的なプレゼントの一つ。

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これはアルファベット形をチョコレートにしたもので、この時期になるとスーパーやお菓子専門店で売り出します。名前の頭文字(花子ならH)のチョコレートをシンタクラースがプレゼントとして持ってきてくれます。

また、これっ!

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この茶色いクッキーみたいなの、<Pepernoten ペイパーノートン>といって、ズワルトピットが常に持ち歩き、子供達に配ってあげます。夜の間に靴の中に入ることも。

町中でズワルトピットに出くわすとこんなふうにもらえます!!

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ここで現実的な話になりますが、もちろんシンタクラースもサンタクロースと同様、その正体は親御さんです。ですのでこの時期、親御さんは大忙し。日頃ケチケチなオランダ人もこの行事には結構な金額を使います。子供が学校に行っている時間帯のおもちゃ屋さんは結構込み合っている時もあります。テレビではおもちゃのコマーシャルが急増し、おもちゃの大売り出し、おもちゃ屋さんの時間外営業ともう大忙しです。ですが、それもやっぱり子供たちの嬉しい笑顔を見るため。この時期が一番オランダ人みんなが楽しくなり、国中が幸せに包まれる時期だと思います。

子供が大きくなるとやっぱりその存在の有無を疑いだします。勘のいい子になると<ニュースに出てるシンタクラースと、町にやってきたシンタクラースの顔が違う。>と、そこ気にするなっ!と言いたくなるような憎いことを言い出します。(笑)実はこのシンタクラース、<良い子にはプレゼントを持ってきて、悪い子はプレゼントを持ってくるのに使う麻袋に入れてスペインに連れていく。>と言われており、親御さんにとっては、子供に一発で言うことを聞かせるのにとても楽な時期でもあります。(笑)

これはさておき、もしこの時期にオランダに来られる方はぜひぜひこの独特の異文化行事を楽しんでくださいね!ちなみにこの行事はオランダ、ベルギー、ドイツでしか行われませんので!

今年も12月5日まであと少し。。。子供たちの緊張が高まる今日この頃です。何がもらえるのかなぁ~!

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