かくして続く、ダルエスサラームの道【年間道路事情移り変わり】

公開日 : 2017年04月13日
最終更新 :
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ダルエスサラームの道路は、市街地および幹線道路はきれいに舗装されていますが、住宅地など

では、いったん脇道に入ると途端に未舗装になります。

雨の降らない乾季は、地面がカサカサに乾くので、車が通るたびものすごい砂埃が巻き上がります。

それは雨季になると一変し、未舗装の道はどこまでも続くぬかるみ道に変わります。

海辺の街でもあり、基本的に砂がちで水はけが良いところが多いのですが、そうでないところも

あり、ところどころに大小の水溜りが出来て人も車も大きく迂回することになります。

大きな水溜りとなると、道路の端から端まで到達するほどの規模になっている所も珍しくあり

ません。少しでも水深の浅い部分を通ろうと、車が大きく右へ左へとゆっくり蛇行しながら進む

様子は、千鳥足でフラフラ、ヨタヨタと歩く人を思い起こさせます。日本の道路では普通、この

ような走り方をする車を見ることは皆無ですから、なかなか見ものとも言えます。

しかし、車体が泥水に浸かっているのを感じながら運転するのは非常に心地の悪いものです。

また、どこにタイヤが嵌ってしまうような穴ボコがあるとも知れない恐ろしさもあります。

そんな過酷な道路状況を生き抜くため、ダルエスサラームの街には車高の高い4WD車が目立ちます。

さて、大量の水を含んだ未舗装の道路を連日、数ヶ月に渡る雨季の間じゅう車が往来し続けた道は、

水が引くとどうなるか想像がつくでしょうか。

場所によっては、もはや「道路」の原型を留めないほどに凸凹です。晴れた日々が続くと、その

凸凹を残したまま乾燥して固まってしまいます。

道路の凸凹があまりにひどくなれば、やがてグレーダー(地ならし機)がかけられる時がやって

来ます。本来の平らな路面が再現されると、ホッとするものです。

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(地ならし後の住宅地の道)

せっかく舗装されていた道も作業が甘い箇所は、雨季の間に隙間から浸透した水がいずれ舗装面

を破壊します。分厚いアスファルトがまるでバラバラに割ったチョコレートのような瓦礫となっ

て路上に散乱し、いくつもの大きな穴ボコも出現します。

そのような路上を、連日、バスや車が通るのです。

車両は最大限徐行し、かつダメージの少ない部分を探して右往左往して進むのですから、通行は

非常に限られます。その結果、ひどい渋滞が引き起こされ、それは道路が直らない限り続くので

す。往来によって破壊はさらに進みます。

乾季に入ってしばらくすると道路の補修工事が始まり、ある日突然、道がきれいに戻ります。

スムーズな運転の喜びを再び味わうことが出来ます。

安全ベストとマスクをつけた作業員が、舗装道路の路肩に溜まる砂をこまめに掃除をしてくれる

ので、いつも路面はきれいに保たれています。

市内の幹線道路の一部には日本のODAで造られたものもありますよ。

車を走らせると表面がスムーズで安定感を感じます。

日本では考えられないことでしょうが、こちらの道路には側溝・排水溝のないものが大半と言っ

てよいでしょう(もちろん、ちゃんとあるところもあります)。激しい雨が降ると、行き先を

失った水がたちまち道路を沈めてしまいます。どういうわけか水が引くのも早いのですが、車を

運転する身にはハラハラする光景です。日本製の道路は、側溝が備わっているからすぐ分かると

いう人がいました。

日本の道路を走るのには必要ないでしょう。

こちらでは、「エア・シュノーケル」というパーツを取り付けた車両が見られます。

エンジン内部に水が入らないように、空気の取り入れ口を上に設置するもので、運転席の脇に

「煙突」が立っているように見えます。

air snorkel.jpg

また、広い国土を走るのに、トラックやランドクルーザーなどにも燃料タンクが二つ付いている

ものがあります。

ちなみに、当地のガソリンには「レギュラー」というのはなく、すべて「プレミアム」になります。

筆者

タンザニア特派員

西東たまき

2012年より東アフリカ・タンザニアのダルエスサラーム在住です。様々な側面から垣間見るダルエスサラームをレポートします。

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