ファイヤー!青空の下のアメリカン楽焼

公開日 : 2018年06月25日
最終更新 :
筆者 : Kumi
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★ドラム缶とチップと煮えたぎる水

 1800℃の炎、チェリーチップの燃える匂い、晴れ渡ったイリノイ州北部の青空の下――6月3日の日曜日に、シカゴ郊外のMarengoのTim先生自宅で、アメリカン楽焼(陶芸)の焼成に、kaleidoscope ファインアートスクールのメンバーと参加しました。

 春に登録した陶芸クラスからスピンアウトしたイベント。Timさんは、高校などで陶芸を教え、自宅のbasement(ベースメント:地下や半地下の部屋)には、キルム(窯)を所狭しと装備しています。

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 柔らかいclay(粘土)を使って教室で作った、瓶(ポット)やオブジェなどを、素焼きして、glaze(色付け)した作品を、1850℃に熱したドラム缶で焼き上げるというもの。

 Lizard(トカゲ)が好きなLauraさんのフルーツボールや、アヤメを繊細に彫った大御所・Jill先生のプレート、またポットに薄く植物をはわせたDianaさん、釉薬を垂らした端正なポットはTinaさん。小さな家のジオラマは、今回運転手も買って出てくれたBethさん。彼女は「いずれファームをやりたい」というだけあって、家には3人の子どものほかに、犬や猫、さらには子ヤギを3頭も増やす肝っ玉母さん。そんなファームを表現したかったのかな。

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 これら机いっぱいに並べられた力作を、一回に20分をかけて焼成、それを長いトングで取り出し、チップの入ったドラム缶で定着させます。次に焼き上げている間に、ドラム缶から取り出し、水の中、またはホースで水をぶっかけて一気に冷ます!

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★サイダー片手にいっしょに日焼け

 ぶっ通しで働くTimさんを横目に、自分の作品が焼けるまでは、みんな芝生の上のアウトドアベンチに座って、ブラクチェリーサイダーなんかを飲みながら、気長に待つのです。Timさんちのシベリアンハスキー犬・Luckyは木陰を探してぶらぶらしながら、いっしょにのんびり過ごします。

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 さあ、水から顔を出した楽焼たち、どうなったかな?

グレイズ(釉薬)は、ターコイズやコパー、ブルーマジックなど、出来上がりには妖しく光るのがこの、アメリカン楽焼の特長といえるでしょう。

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★あやしく、そして神々しく光る皿や瓶

 私の作品は、オランウータンやプラネットの鉢、コスモスの瓶でした。「cosmos」の瓶は、細長いコイルの粘土を積み上げ、途中に幾何学的な片や輪をくっつけました。Jill 先生が、制作時に「はめ込み穴を開けた方が落ちないよ」とアドバイスしてくれたのに、「大丈夫」と言って、そのままにした箇所は焼成中にポロリ。

 ホースの水で冷ますのですが、何しろ1800℃、瓶の中に入った水は、Dianaさんが「まるでシチュー作ってるみたい」と言うほど、マグマの様に煮えたぎっておりました。「もーいいかな」と手でつかもうとしたら、「アチッ!」と飛び上がるほどまだ熱かった!世話好きのベスが「コレしかないけど使って」と、日焼け治療用のリップを差し出してくれたのでした。

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 ちなみにこのポットはTim先生の作品。美しく光るコッパーに繊細な線を描いた逸品です。来年お邪魔した時、日本に買って帰ろかな・・。

★仕上げはピザ窯の手作りピザ!お疲れさん!

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 朝の10時から4時間。すべての作品が焼きあがると、待ってました、Piza Partyで~す。Timさんちの庭にしつらえられたピザ窯(これも本人作)で、妻のLisaさんと用意してくれた、お手製の柔らかい生地の上にマッシュルームやチーズ、特製のトマトソースを乗せて、750℃の窯で10分ぐらい。

 私とJillさんは毎回、ワインでかんぱ~い!去年ほど暑くなくて、青空に大きな雲が流れるテラスでピザを囲んで、労をねぎらいます。授業料を払っているとはいえ、TimさんやLisaさんのHospitalityがあってこそ。USの広い空、心地よい風と仲間の熱い(!)思いに乾杯!

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