南インドの修道院で作るイタリアンチーズ
ベンガルールには数々のワイナリーがあるが、それと合わせて食べたいイタリアンチーズを作っている場所がある。なんとその場所が修道院というから驚きだ。
修道院の名前は、「Gualbert Bhavan」イタリアにある「ABBAZIA DI VALLOMBROSA」を総本山とするベネディクト会の修道院で2002年に建てられた。
修道院というと修道女シスターがいるイメージが強いが、ここでは3人の神父と10人の修道士が共同生活を送っている。
神父になるためには12年の修行が必要で、彼らは毎日ここで勉強し働かなければならない。
ヒンズー教徒が圧倒的に占めるインドだが、ここにいる修道士たちは、キリスト教徒が20%を占めているケララ州から派遣されている。ケララ州には、インドにおけるベネディクト会の本部がある。
驚くことに、そこに所属する神父28人のうち、16人はイタリアの総本山に派遣されているそうだ。イタリアでは、神父の高齢化が進み、人手が足りないというのが現状だという。
この修道院内にある教会はケララスタイルの建築で、美しいステンドグラスもケララで制作されたもの。その為、ヨーロッパで見られる教会内部とはイメージが異なり意外とシンプル。
聖書を読む台は二カ所で、その間にあるランプには、ヒンズー教の儀式などでも使うオイルランプがあるがしっかりと十字架がアレンジされている。
祭壇は二つあり、カーテンで仕切られた先には、十二使徒の1人トマスを象徴した十字架が描かれたハンドペイントグラスがある。
この修道院は、一般の人にも教会を公開してるので南インド独特の教会内の雰囲気もぜひ見て欲しい。
【何故チーズ作りを?】
修道士の教育や慈善活動、修道院を維持していくには、どうしてもお金が必要となってくる。そこで、イタリアで8年間の修業をしながらチーズ作りも学んできた神父の1人マイケルは、ベネディクト会の許可を得て2003年3人の神父でイタリアンチーズを作り始めた。初めは小さなキッチンで。やがてその評判は広まり、2007年「Vallombrosa」というブランド名で本格的に販売を始めた。今では、ベンガルール内にある5つ星ホテルやイタリアンレストランに卸しているほどの人気だ。
チーズ工房は敷地内にあって、まるで給食センターのように大きな鍋が並んでいる。
この鍋で、バッファローミルクを45度で5~6時間煮詰める。煮詰めたミルクを3~4時間置くと、水と油分が分離するので、沈殿した部分だけチーズ作りに使う。
チーズ作りは、朝9時から始まり冷やすところまで入れればおよそ1日で完成する。
工房の奥には、5度部屋で1年間発酵熟成させたCaciottaが並んでいた。ちょっとカビ臭い部屋にチーズらしさを感じずにはいられない。
【修道院の見学とチーズの試食も可能】
この修道院では、無料で修道院の見学とチーズの試食会をしている。
せっかくなのでワインを持ち込みたいところだが、神聖な場所にお酒は持ち込めないということで、チーズをつけるクラッカーやパンを持参。9種類あるチーズをお腹いっぱいいただいた。
Fresh Mozzarella,Bocconcini,Burrata,Ricotta,Mascarpone,Caciotta,Pizza Cheese,Pecorinonなど料理には欠かせないあらゆるチーズを取り揃えている。
「Gualbert Bhavan」
Sacred Heart Road, TC Palya, KR Puram, Bangalore
時間:9:00~18:00
休み:日曜日
電話:9964958572(Sanoop)
http://www.vallombrosacheese.com/
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