No 20. You must visit Athens! ギリシャ正教の洗礼式

公開日 : 2016年07月12日
最終更新 :

ヤーサス!みなさん、お久しぶりです。

しばらく都合により特派員ブログをお休みさせていただいておりましたが、

今月より再開することになりました。

引き続き応援の程宜しくお願い致します。

アテネの初夏は快晴が続くので、結婚式や洗礼式等のお祝いの儀を執り行うのに好まれます。この時期市内の教会の外で、お洒落をした人々を見かける事が多いのは、その為なのです。

そんな中筆者も、6月の最終日曜日にお友達の娘さんの洗礼式に招待され、儀式に列席する機会に恵まれました。

ギリシャ人の90%以上がギリシャ正教徒であり、大抵の場合、子供が出生してから1年位の間にギリシャ正教徒になる為、教会で洗礼を受けなければなりません。

ただ、最近は子供がギリシャ正教徒に改宗したいか否かの意志を尊重するべきであるという考えも支持されてきているので、もしかすると、例外もあるのかもしれません。

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赤ちゃんの洗礼の儀式は一見、華やかでおめでたい「お祝いのイベント」のように見えますが、実際はとても厳かで神聖なものなのです。

正教会における七つの秘蹟(ひせき)の一つである洗礼とは精霊の働きによって受洗者の罪が全て許され、神の子として新たに生まれる秘蹟のこと。

洗礼を授ける事が出来るのは教会の司祭か主教ですが、証人として名付け親(ゴッドペアレント)の立ち会いが必要になります。

洗礼の儀式の時のみならず、この名付け親(ゴッドペアレント)は受洗者にとってとても重要な役割を果たし、一生涯、肉親同様の関係を保つと言われています。

さて、現代のギリシャ正教の洗礼の儀式は

1. 洗礼前の儀式

2. 洗礼の儀式

3. 洗礼後の儀式

という3つのパートから成りたっています。

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まず、受洗者は司祭と名付け親、そして列席者に見守られる中、人間の煩悩を振り払い、今後イエス・キリストの教えに従い、信仰を実行するという誓いを立てます。

それから、受洗者は祭壇中央で苦悩や堕落から救済してくれるという聖油で前身を清められた後、神とキリストと精霊の名の下に3度、頭からつま先迄前身を聖水の中に沈めます。また、この一連の動作はキリストの復活、あるいは信仰の無い人間の死と神のご加護の元で生まれた新たな人間の誕生を象徴すると言われています。洗礼はギリシャ語でヴァプティズマ(ΒΑΠΤΙΣΜΑ)と言いますが、その語源は水中に深く沈む事なのだそうです。

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聖油でべとべとになっているにも関わらず、洗礼を受けた新正教徒は、伝統的には、3 日間その状態を保たなければなりません。

3日後ようやく聖油を洗い流す事ができるのですが、聖油を洗い流す時は名付け親が新正教徒を樽の中で洗ってやり、その水は人等に踏まれない場所(庭や鉢植えなどの土等)にまくことになっています。それから、洗礼後3週目迄の日曜日には名付け親同伴で教会へ礼拝に行くのですが、その時にはランバーダと呼ばれる飾りのたくさんついた長い蝋燭を一緒に持って行かなければなりません。また、3週目の日曜日の礼拝の後、装飾を取り除いた火のついたランバーダのみを教会に残すそうです。

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大人が洗礼を受ける時は、教会の聖職者のもとでカティキズムというキリスト教とキリスト教徒としての勉強を数ヶ月間した後、洗礼が認められるそうです。

ギリシャ式の結婚式で国際結婚をした現地の日本人の友人達は、カティキズムと洗礼の後、晴れてギリシャの教会で結婚式をすることができたと言います。

長々と綴ってしまいましたが、実際は洗礼の儀式は大抵30分もかかりません。

それが済むとホテルやレストランでお祝いの宴が始ります。

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写真はボンボニエーラ。洗礼式の列席者に配られるお菓子です。

装飾が可愛らしい。

エレニちゃん、改めておめでとう!

たくさんの夢と希望が満ちあふれますように!

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