ギリシャで人気の名前

公開日 : 2010年08月18日
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 8月のお題「人気名前ランキング」。以前にも何度か書いたことがあったと思いますが、ギリシャは国民の97%がギリシャ正教というキリスト教国。そしてギリシャ人の名前の多くはキリスト教の聖人の名前からつける習わしです。女性だと圧倒的にマリア、エレーニ、エカテリーニ(カテリーナ)などが多く、男性だとヤニス、コスタス、ヨルゴスなどが大半を占めます。

 カフェや道路などで「マリア!」とか、「ヤニス!」とか叫ぼうものなら、ほぼ大半の人が振り向くといった具合です。

 子どもが誕生すると、日本のように名前が無数にあって、好きなようにつけていいということはあまりなく、選択肢は前述のように聖人の名前からがほとんどなので限られています。そして大抵、女の子ならおばあちゃん、男の子ならおじいちゃんの名前を引き継ぐ慣わしなので、従姉妹(従兄弟)同士が同じ名前になるなんてのは当たり前!家族、親戚中で同じ名前はうようよいます。同姓同名の場合もあるわけです。なのでギリシャ人のIDは父親の名前の記載も必須です。それも一緒!なんてことも。だから生年月日なども要確認でしょうね。

 同じ名前が多いにしろ、統計的にどの名前が多いのかということを調べてみましたが、上記のような習慣があるので、これが単純に人気ランキングになるとも言えないのですが、なかなか興味深い結果でした。女子ではマリアが一番多いとはわかっていたものの、男性はけっこう意外な結果に。10万人を対象とした調査の結果です。

 女子

 1位   6652人   マリア          

 2位   3850人   エレーニ

 3位   2770人   エカテリーニ(カテリーナ)

 4位   2569人   ヴァシリキ

 5位   1852人   ヨルギア

 6位   1836人   ソフィア

 7位   1729人   アナスタシア

 8位   1712人   エヴァンゲリア

 9位   1621人   イオアンナ

 10位  1572人   ディミトゥラ

 ギリシャにいればランクインしている名前の人は友人、知人に何人もいることになるでしょう。4位がヴァシリキというのはちょっと意外でした。やはり上位100の大半の名前はキリスト教の名前からですが、面白いのはカネラ(シナモンちゃん)、ザハルーラ(お砂糖ちゃん)などもけっこう高めにランクインしてたことです。

 最近ではエレナやカロミラなども人気があるようで、ユーロヴィジョンなどで活躍したエレナ・パパリズーやカロミラなど、ブレイクした歌手や俳優の名前などが急上昇する傾向があるのはどの国も同じですね。

 歴史上の名前も人気があって、クレオパトラ(←歴史上、有名なクレオパトラはギリシャ人説が濃厚)は110位にランクイン。182位にはエレクトラも。歴史上やギリシャ神話、悲劇などの名前もいいなあと思うものの、聖人の名前からではないのでネームデー(後述)がないことと、ストーリーの結末を考えると躊躇する人も多いらしいです。ギリシャ語でも「オノマ・ケ・プラグマ」と言って、「名は体をあらわす」みたいなことわざもあるからです。

 男子

 1位   3320人   ヨルゴス

 2位   2425人   ディミトゥリス

 3位   2413人   コンスタンディノス(コスタス)     

 4位   2378人   イオアニス(ヤニス)

 5位   2027人   ニコラオス(ニコス)

 6位   1381人   フリストス(クリス)

 7位   1310人   パナヨティス(パキス、タキス)

 8位   1304人   ヴァシリオス(ヴァシリス)

 9位   1049人   アサナシオス(サナシス)

 10位   702人   エヴァンゲロス(ヴァンゲリス)

 男子もやはりベスト10は全て聖人の名。歴史上の名だとレオニダス(スパルタ王)やアレクサンドロス(アレキサンダー大王)などが人気があり、周囲にもけっこういます。

 ギリシャの習慣として同じ名前の聖人の記念日=ネームデー(ギリシャ語でオノマスティキ・ヨルティ)を誕生日より盛大に祝います。マリアは8月15日(もしくは11月21日)、ヤニスは1月7日など、ギリシャ人は主要なネームデーが何月何日か覚えていますし、カレンダーや手帳には聖人の記念日一覧表が記載してあります。ネットでもネームデーの一覧表は検索できます。

 学校や職場などではネームデーの本人が自ら、お菓子やケーキを買ってきてクラスメートや同僚などにふるまいますが、これまた同じ名前が多いので、特にメジャーな名前のネームデーには職場がケーキだらけなんてことも多々、あります^^;

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