No.44 イタリアで3回過ごしてみたクリスマスについて:Buon Natale

公開日 : 2018年12月05日
最終更新 :

みなさん、こんにちは。アンコーナ特派員の丹羽淳子(ニワアツコ)です。イタリアで最も盛大に祝われる祝日というと、Natale:ナターレ、クリスマスです。イタリア人の約75%がカトリック教徒ですが、多くの人が教会から足が遠ざかっているように思えます。でも、ナターレの時期は皆が浮足立って、街全体がワクワクしだします。

盛り上がりの感じは、日本のお正月にも非常に似ていますが、日本のお正月へのカウントダウンにあたる12月は"師走"と言われるだけあって、なんとなく慌ただしく過ぎ去っていきますが、こちらの12月、ナターレへの準備はゆるゆるとワクワク勧められていくように感じます。

自宅に飾るものは、ツリーや、プレゼーペと呼ばれるイエス・キリストが生誕するタイミングを模したジオラマなどです。

これは義母が毎回用意するプレゼーペ。毎年、少しずつ買い足してどんどん大きく自分(家族)好みにしていきます。我が家は置き場所が定まらず、いまだ未購入。そろそろ用意したい物の一つです。

実際の水があったり、風車があったり、とっても可愛いんですよ。※今回の写真はすべて過去の写真を掘り起こして利用しています。画像が荒いですがごめんなさい。

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このクリスマスの飾り付けですが、いつからでもスタートして良いというわけではなく、一応のルールがあるようです。なんでも、マリア様が無原罪だということをお祝いした日"無原罪の御宿りの日"(12月8日)以降なんだとか。

そして、このプレゼーペなのですが、なんと、本物の人や動物で再現するものもあるのです。Presepe Vivente:プレゼーペ ヴィヴェンテと呼ばれます。こちらの写真二点は、3年前に行った、AnconaのPietrocroceというエリアでのもの。かれらのFBページはこちらです。https://www.facebook.com/FORTEALTAVILLA/

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もうイエス・キリストが産まれていますね。クリスマス前後の2週間程度の任意の日にのみ開催されるのですが、24日の夜以前はこのイエス・キリストの姿はありません。ちなみに、自宅にあるプレゼーペも24日の夕方までは厩戸内のベッドは空っぽのまま。夜が過ぎたらキリストをベッドに寝かします。時間については義実家調べです。

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こんな感じで当時の暮らしを人々が再現しています。パン焼きや、鍛冶屋、羊飼いに兵士など、色々な人達が寒空の下、ご自身に与えられた役を演じます。この時期にイタリアにいらっしゃるのでしたら、ぜひ、生で実際に見ていただきたいです。私は非常に感動しました。入場料は私が伺ったここはお布施のみで、確かグループで5ユーロ程度を支払ったような記憶があります。

クリスマスの街はというと、以下のような感じ。街全体にイルミネーションがたかれ、中心部にはクリスマスツリーが備え付けられます。こちらは一昨年のアンコーナの様子。

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この下2つは、Jesi:イエージの町並みです。

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クリスマス用品を売る屋台が並び、冬のお祭りには欠かせない「スケートリンク」が登場したりします。

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日本だと、12月25日が終わればクリスマス用品は早々に片付け、いざお正月の準備ですよね。こちらは少し様子が違います。まず学校はクリスマス時期から1月の6日までお休みになります。大人たちもこの時期にお休みを取る方は多いと思います。役所なども一応開いてはいますが、スタッフが休みをとっていたりするので、実質上"機能していない"と言っても過言では無い状態です。ただ、カレンダー上の休みは25日と26日のみで、その後の年末年始の休みは1月1日のみ。うちの主人は完全にカレンダー通りで仕事をしていますので、日本の様な「年越し」のイメージからは程遠い雰囲気で過ごしています。

ナターレの過ごし方はと言うと、基本は家族とともに、です。24日のメイン料理は基本的にお魚です。なぜお魚料理なのかと言うと、もともとナターレ前にはQuaresimaと呼ばれる断食期間が設けられています。本来ならば、数週間、質素な食事をとるのですが、今の時代はとりあえず24日だけ質素に食べておこうという人がほとんど。でも、魚料理だからといって、もちろん全く質素ではなく、非常に豪華!そしてお肉よりも高価だったりもしますので、なんとも本末転倒です。家族では24日は学校や会社があるので、夜は食卓に集います。そうそう、大切なプレゼントですが、これは家族や友達、親しい人、お世話になった人に用意します。お世話になった人で言うと、日本のお歳暮のような習慣ですね。家族でのプレゼント交換は、12月25日のランチ前(義実家調べ)で、それまでに用意したプレゼントはクリスマスツリーの下に置いておきます。もう、本当にドラマのような世界...。25日は少しだけ早めに集まり、皆でワイワイとプレゼントの包みを開けます。その後、マンマの気合と根性と愛情がたっぷりはいったお食事をいただきます。マンマのクリスマス料理は、日本のお母さんたちのおせち料理と一緒で、12月に入るといそいそと用意が始まります。

ナターレのミサは、24日の夜から25日にかけて、色々な時間帯で開催されているようです。私たちは24日から25日になる真夜中の時間帯のミサに毎年参列させていただいています。とにかく、26日も休みですので、また皆で食事です。

はっきり言って、この3度のナターレの食事はかなりかなりヘビー。日本の三ヶ日と一緒ですよね。

ナターレ期間は、エピファニアと呼ばれる1月6日まで続きます。ですのでクリスマスの飾り付けはこの日まで放置OK。日本人の感覚として、1月を過ぎた段階でも家にクリスマスツリーがあるのはなんとなく気持ちが悪いのですが...。

一年に一番テンションが上がるナターレ期間にもうすぐ入ります。準備するのも色々と大変ですが、イタリア人みんながとっても幸せそうに楽しむ期間で、見ているだけで心も暖かくなりますよ!

それでは、またお会いしましょう。Ci vediamo presto.

筆者

イタリア特派員

丹羽 淳子

イタリア、アンコーナ県の海辺の町に住んでいます。毎日を気ままに過ごすことが堂に入ってきました。

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